千葉の「人口急増の街」から消える“京成バス”に乗った もともと“東武のシマ” 廃止の影響は?
東武アーバンパークライン(野田線)との並行路線
京成バスでは2024年12月27日(金)限りで、松戸営業所管轄の東初石線「流01」と西初石線「流02」、三輪野山線の一部となる「流11」が運行終了となります。いずれも、つくばエクスプレスや東武アーバンパークライン(野田線)が交差する流山おおたかの森駅(千葉県流山市)を発着するバス路線ですが、同駅と江戸川台駅(同)東口から、京成バスの乗り入れがなくなることになります。 つまり… 廃止されるバス系統(路線図) 特に「流01」と「流02」は2路線合わせて「初石線」と呼ばれていますが、いずれも流山おおたかの森駅~江戸川台駅間を結び、東武アーバンパークラインに並行しています。 「流01」が流山おおたかの森駅東口~江戸川台駅東口間、「流02」が流山おおたかの森駅西口~江戸川台駅西口間で、「流01」が東武アーバンパークラインの東側を、「流02」が西側を走っていますが、両路線とも平日のみの運行です。 運行距離と所要時間は、「流01」が3.66kmを11分ほどで、「流02」が3.82kmを13分ほどで結びます。どちらも東武アーバンパークラインの線路からは住宅街を挟んで少し離れた場所を走るため、東武の電車と競争するような姿を見ることはありません。流山おおたかの森方の住宅が新しい一方で、江戸川台方は古い住戸が見受けられます。 また、途中で常磐道も交差していますが、ここでは常磐道が掘割になっており、「流02」では交差する様子が車窓から見えますが、「流01」では見えません。
2024年5月に大減便していた
運行終了に際しては地元向けの説明会が行われ、流山市に資料や議事録が残されています。これらによると、「流01」「流02」は2011(平成23)年から運行されていたものの、赤字路線だったようです。 2024年現在で、1便あたりの月別の利用者数は、「流01」が約4人から約7人、「流02」が約4人から約6人とされています。実際に筆者(柴田東吾:鉄道趣味ライター)が利用した時も、数人の乗客が利用していた程度でした。 また、近年の働き方改革による運転士不足を踏まえて、2024年5月には大幅な減便が行われ、両路線とも1日20便(10往復)から6便(3往復)として運行を維持していました。 ●運行終了に伴う影響は? 「流01」「流02」とも、運行終了後に代替となる路線はありません。しかし「流01」では、東側に東武バス(東武バスセントラル)の路線があり、「西柏06」(流山おおたかの森駅東口~江戸川台駅東口)が毎時1~3便運行されています。 「流02」では、流山市のコミュニティバス「流山グリーンバス」として運行される路線のうち、流山おおたかの森方では西初石ルートが毎時2便運行されているほか、江戸川台方では江戸川台西ルートが運行され、区間によっては毎時3便あります。 いずれの路線も、「流01」「流02」の沿線からバス停の位置が離れてしまう箇所もありますが、流山おおたかの森駅や江戸川台駅へのアクセスが不便になる地域は限られています。