石破氏・菅氏・岸田氏が共同会見(全文1)争点はコロナ対策と経済立て直し
権力は鋭い刃のようなもの
岸田:いいですか。まず安倍政権において、安倍政権のどこを引き継ぎ、どこを見直すべきかというご質問。政策については先ほども言いましたように、経済等、評価できるところはたくさんあると思います。ただ、ご質問の趣旨がたぶん政治姿勢のほうだと思いますんで、その部分について申し上げるならばまず官邸主導、トップダウンで物事を決めるというこの姿勢、このことは省庁の弊害、省庁の縦割りの弊害、それから判断を迅速に行う、こういった点においてはこれは評価する、できるところではあると思います。 ですから、今後とも先ほども所信の中で申し上げましたが、例えば官民挙げてのデジタル化ですとか、その上に載っけるデータですとか、こうした強力な権限を持った組織で進めていかなければならない課題については、トップダウンや官邸主導というような、強力な取り組み、これは行っていかなければいけないんではないかと思います。 ただ一方で、権力というのは、要は鋭い刃のようなものだと思います。絶えず謙虚に、丁寧に使っていかなければならない、こういったものであると思います。ですから、強力な権限についてはやはり丁寧に、謙虚に使っていく。こういった姿勢は大事なんではないか、このように思います。 そしてトップダウンに対してボトムアップという政治手法があります。トップダウン、先ほど言いましたように、迅速な判断においては有効な意思決定の手段ですが、より多くの関係者の意見をくみ取る。あるいはより多くの官僚をはじめ、組織の意見をくみ上げるということにおいてはボトムアップという政治手法も有効であるといわれます。 論争がありますが結局、結論はどっちが正しいというものではありません。これは適切なときにトップダウンを使い、適切なときにボトムアップを使い、これをうまく使いこなせるのが賢い政治ということになるんでありましょうから、これ、政治の決定の信頼感を国民の皆さんにしっかりアピールするためにも、この2つの手法を賢く使い分ける。そして説明責任をしっかり果たしていく。こういった姿勢は何よりも大事なんではないか。そういったことは感じます。 【書き起こし】石破氏・菅氏・岸田氏が共同会見 全文2に続く