【足立区バラバラ殺人】生徒から人気の女性教師(26)が警察官の夫(28)を殺害→世間からも同情を集めたワケ(1953年の事件)
「お化けだ!」――1952年5月、少女3人によって、新聞紙などに包まれた、首と両手足のない男性の胴体が見つかった。警察は絞殺後バラバラにされたものと断定。その後、遺体は28歳の警察官のもの、そして犯行は内縁の妻の女性教師によるものだとわかる。生徒からも慕われ、勤務ぶりも真面目だった彼女はなぜ愛した男を殺さねばならなかったのか? 新刊『 戦後まもない日本で起きた30の怖い事件 』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/ 続き を読む) 【女性教師の顔写真も…】「夫を殺してホッとした」26歳の女教師の写真をすべて見る ◆◆◆
足立区で見つかった「首と両手足のない男の胴体」
1952年(昭和27年)5月10日午前10時ごろ、東京都足立区本木町の荒川放水路(通称・日の丸プール)の入り江から、新聞紙などに包まれた、首と両手足のない男性の胴体が見つかった。第一発見者は入り江周辺で花摘みをしていた少女3人で、「お化けだ!」と絶叫。事情を聞いた大人たちが西新井署に通報し、警視庁捜査一課の刑事、鑑識職員が現場に急行する。 現場検証の結果、首は鋭利な刃物で切り取られ、左足はノコギリ様のものを使って骨まで切断。右足と両腕は肉を刃物で切ったうえ、付け根の関節部から抜き取られていることがわかった。推定身長は164~167センチ。細い麻ひもで3ヶ所縛られていた遺体にホクロや傷痕などの特徴はなかったものの、首の付け根に絞められたような跡があったことから、警察は絞殺後バラバラにされたものと断定。西新井署に特別捜査本部を設け、捜査を開始する。 事件発覚から5日後の同月15日に同じ放水路で頭部が、翌16日に両腕発見。新聞が戦後初のバラバラ殺人として連日のように事件の行方を大きく報じるなか、見つかった頭部より作成されたモンタージュ写真から被害者と思しき警察官の男性が捜査線に浮上。ほどなく、指紋照合により遺体の身元は胴体発見の数日前から行方不明になっていた志村署勤務の伊藤忠夫巡査(当時28歳)と特定される。 そして、その後逮捕されたのは伊藤巡査と内縁関係にあった小学校教師の宇野富美子(同26歳)。いったいなぜ、女性教師が現職警察官を殺害するに至ったのか。そこには世間も同情を禁じ得ない深い事情があった。
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