池田エライザ 役者はQOLを上げてくれる仕事かもしれないって
池田エライザは役者以外にもモデル、歌手、映画監督、写真家など幅広い活躍で知られる。昨年はELAIZAとして1stアルバム「失楽園」をリリースしたことも大きな話題となった。多彩な才能の持ち主というイメージがあるが、意外にもけっして得意なことをやっているわけではないという。役者としての取り組みを中心に話を聞いた。
不得意だが自分なりに頑張っている役者という仕事
「実際にお芝居に触れる前、小学生の頃はすごく華々しい世界に感じていたし自分がその華やかな世界に行くことはないだろうなと思っていました。演出家といいますか小説を書いていたかったんです。でも、いざ事務所に所属して雑誌のモデルをやるようになり、そして俳優としてお芝居に触れるようになって、やっとその地道さを知ったんです。現場ってどういうことが起きているところなのか? その熱量に触れて『役者ってすごい』と感じたし、自分のクオリティーオブライフ(QOL)を上げてくれる仕事かもしれないって」 だが、役者はけっして得意なことではないという。 「得意、不得意で言うと、ずっと不得意だと思います。役者としての手応えもあまり感じたことはなくて、得意じゃない習い事をずっとやっている感じです。成長できていないのに私には需要があるとおっしゃっていただけている感覚があって。でもそれでは失礼になるので私なりに頑張っています。奔放に芝居をしたりすると照れて『恥ずかしいな』と思うので、生まれ持っての女優気質ではないですね。『頑張ります』って、いつも思ってやっています」 ずっと不得意なところにある役者という仕事だが、やめたいと思ったことはない。 「飽きることはあります。たとえば、目標をたくさん持っているときはそのぶんエネルギーはあるけれど、ふと自分が目指してきたものが時代の移り変わりとともに目指すべきではなくなってしまうこともあると思うんです。でもそれはやめる、やめないということではなくて、『あれ? 今こっちの方向へ走って行っていいのかな?』とあらためて考えるとき『いったん、ゆったりしたいや』と。作業中にコーヒーを飲みたくなるような感覚です。いつかスポット休みを取りたいな、とは思っても、結局は働くのかなって」