“お茶の間”楽しませた昭和生まれのクイズ番組
昨年9月に惜しまれつつも放送終了したクイズ番組「パネルクイズ アタック25」が3月からBSチャンネルで復活することが話題になっている。番組がスタートしたのは1975(昭和50)年。まだ“お茶の間”が生活の中に残っていた時代で、出場者さながらテレビの前でともに答えを出し合って楽しめるクイズ番組はかっこうの娯楽として家族の団らんの中でも存在感が大きく、テレビ各局は趣向を凝らしてさまざまな番組を生み出していた。そんな昭和生まれのクイズ番組を振り返ってみた。
庶民のあこがれだったハワイ旅行「アップダウンクイズ」
クイズ番組は令和の現在も定番の人気コンテンツとして存在し続けているが、昭和らしさを象徴するクイズ番組の一つが1963(昭和38)年にスタートし1985(昭和60)年まで放送された毎日放送(MBS)製作の「アップダウンクイズ」。開始から1975(昭和50)年3月まではテレビ朝日系(当時はNET)の一部で放送され、同年4月からはネットチェンジによりTBS系で放送、1985(昭和60)年に終了した。解答者6名が正解すると一段ずつ上昇するエスカレーター式ゴンドラに乗り早押しクイズにチャレンジ、不正解だと一番下まで戻されてしまうが、みごと10問正解して一番上まで上り詰めるとハワイ旅行と賞金10万円を獲得しアシスタントからお祝いのハワイアンレイをかけられた。 当時海外旅行は庶民にとって高嶺の花、ハワイ旅行には今とは比較にならないステータスの高さがあった。ロート製薬一社提供でオープニングに流れる同社のジングルも印象的だった。値段を当てると家電製品がもらえる「ズバリ!当てましょう」(フジテレビ系)などもそうだが、この時代の視聴者参加型クイズ番組では庶民の夢ともいえる豪華賞品を獲得することが番組のクライマックスでもあった。
NHKならでは「連想ゲーム」「クイズ面白ゼミナール」
NHKの「連想ゲーム」は1969(昭和44)年から1991(平成3)年まで22年に渡り放送されたクイズ番組で、同局の紅白歌合戦のように解答者が紅・白2チームに分かれて競い合うスタイルを採った。紅組の歴代キャプテンには中村メイコ、江利チエミ、天地総子、水沢アキ、中田喜子、藤田弓子が名を連ねる。一方の白組キャプテンはごく初期と体調不良時などによる休演回を除いては加藤芳郎がほぼ一人で担っていた。レギュラー解答者もNHKらしくそうそうたる顔ぶれをそろえ楽しませた。 NHKといえば1981(昭和56)年から1988(昭和63)年まで放送された「クイズ面白ゼミナール」も忘れがたい。大学のゼミを模したスタイルで教養色の強い「観てためになる」番組作りだった。