池田エライザ 役者はQOLを上げてくれる仕事かもしれないって
写真家という一面 撮られる側だけでなく撮る側にも
撮られる側だけでなく撮る側に立つこともある池田だが、2020年には原案と初監督を務めた映画「夏、至るころ」が話題になったほか、写真家として「週刊プレイボーイ」の巻頭グラビアで女優の柳ゆり菜を撮った。その際は池田自身が同誌に企画を持ち込み、衣装やロケ先の発注からディレクションしたり、昨年は「GINGER」で友人・福士リナを撮っている。 「始めたのは高校生の頃です。自分のお金でカメラを買いました。まだ誰もそれほどインスタにフィルムで撮った写真を載せていなかったときに、SNS向けに携帯で撮る写真に飽きて、なんか面白いことをやろうと思って。それで海外に行ったときフィルムでいろんな方を撮るようになって、それが旅行記みたいな楽しさがあって、『写真撮っていいですか?』と人に話しかけるきっかけにもなったり。でも最近はデジタルでも撮ります」
苦労していないように見えたとしても自分が豊かであればいい
そして昨年はELAIZAとして音楽活動開始を宣言した。音楽活動と俳優としての活動に池田の中では棲み分けがあるという。 「音楽をやっているときは自然体でありのまま楽しく無邪気にやっています。演じるときは常にすごく新鮮な気持ちで、わからないことに立ち向かっています。ただ私は、わからないことに立ち向かっていたり多く犠牲を払っているほうがかっこいいっていう考え方には、あまり共感しないです。好きなことをやって、苦労していないように見えたとしても、自分が豊かであればいい、って思っています」 そんな自然体が池田の多彩な活動の根底にあるのだろう。 「あれこれやりたいわけじゃないんです。私の職場はここだから私の職場から役目を果たせることをしているだけで。映画を撮るとか、女優とか、音楽っていう境目はそんなになくて、いつも声をかけてくれる子たちに『元気?』『大丈夫だよ』っていうツールという認識です」 (写真と文・志和浩司)