どうなる?!4階級制覇王者の井岡一翔vs”リトルパッキャオ”福永亮次の大晦日決戦…飛び散る火花と1対8の海外オッズの理由
井岡にとっては絶対に負けられない試合である。 悲願だったアンカハスとの統一戦が政府の「オミクロン株」の水際対策で中止となったが、代替試合としての福永戦を受け入れリングに立つ決断をした。 「今まで大晦日で試合をさせてもらってきた責任はもちろんあるし、大晦日のリングをボクシングというもので盛り上げたい気持ちがある。新型コロナ禍で、試合をしたくてもリングに上がれない選手がいる。その状況で試合ができることをボクサーとしてチャンピオンとして嬉しく思う。一度決まった統一戦が流れて、心境は複雑だったけど、ここで立ち止まってはいられない気持ちだった」 これが10度目の大晦日のリング。総合格闘技イベントの「RIZIN.33」が同日に行われるが、井岡は、ボクシング界を代表する大晦日の顔としての責任と使命を感じ、そして延期されたアンカハス戦への前哨戦と位置付けて、気持ちを切り替えた。 「初めての状況ではあるが、僕の中では、ひとつの挑戦だと思って、この試合に臨みます」と言う。 アンカハスは来年2月にリオ五輪代表で無敗のフェルナンド・ダニエル・マルティネス(アルゼンチン)と防衛戦を行うことが決まり、この日までにアンカハスのプロモーターであるショーン・キボンズ氏から井岡陣営に連絡が入った。 すでに両陣営は延期で合意しており、井岡が防衛に成功し、2月にアンカハスが10度目の防衛に成功すれば、統一戦が再度セットアップされる。ただIBFが挑戦者決定戦を1月中旬に設定したため対戦の時期については不透明だが、井岡に“番狂わせ”は許されない。 一方の風貌が似ていることから“リトル・パッキャオ”の異名を持つ福永は、転がり込んできたチャンスに「人生をかけてもいい。今まで以上に気持ちが入ります。今までの気持ちをすべて明日にぶつける」との思いを改めて口にした。 王者の井岡はすぐに会場を去ったが、挑戦者の福永は、記者会見のテーブルを使い報道陣に見守られながら食事を始めた。ウイダーインゼリーを口にして、カットされたメロンにかぶりつき、鈴木眞吾会長手作りの雑炊を空っぽの胃に流し込んだ。 「戻すのは3キロくらい。夜にはうどんを食べます」 28日に日本&WBOアジアパシフィックタイトルを返上して退路も断った。