10月から入国制限を順次緩和 コロナ分科会の専門家から懸念も
政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、世界各国からの新規入国を10月1日から順次緩和することを決めた。ただ感染症の専門家からは懸念する声も出ている。 【動画】「GoToイベント」や入国制限緩和など議論 コロナ分科会後に尾身会長が会見
一定の条件で全世界から順次入国OKに
水際対策としての入国制限について、政府は現在159か国・地域からの外国人の入国を原則拒否している。しかし、感染状況が落ち着いている16か国・地域とは協議を行っており、9月にはベトナムやタイなど8か国・地域と合意し、ビジネス関係者に限って入国を認めてきた。今回の決定で、これに加えて留学や家族滞在なども緩和の対象とする。 さらに観光客を除き、一定の条件を課した上で全世界から新規入国を認める。報道によると、日本で3か月以上過ごす中長期の滞在者が主な対象で、1日1000人程度が上限となる見込みだという。 菅義偉(よしひで)首相は対策本部会議で「経済再生のためには、国際的な人の往来の再開が不可欠。来月以降、観光客以外については、日本人・外国人を問わず、検査をしっかり行った上で、できる限り往来を再開していく」と語った。
上限を設定しながら防疫措置を取る
政府の新型コロナウイルス対策分科会後に記者会見した西村康稔(やすとし)経済再生担当相は「当然、人数の上限を設定しながらさまざまな防疫措置を取っていく」と述べ、出国前の検査証明や入国後の14日間の自宅待機などの措置を取るとした。 さらに「各国の感染状況を見ながら、2国間で交渉を進めて、お互いに合意できれば(入国制限緩和が)スタートする。10月以降、順次やっていくということなので、一遍に何か国も同時にスタートできるわけではない」と説明。今回の留学生や家族滞在などのように「それぞれの国のニーズの高いものから進めていくことになる」と話した。 想定される経済効果については「まだ人数が限られているので大きなプラスを生むというものではないが、徐々に国際的な往来を広げていく。世界中の国で感染が落ち着いてくれば、当然往来を活発化していこうということだし、ヒト・モノ・カネの国際的な流通が活発化することが世界中の富を増やす。慎重にやらなければいけないが、徐々に広げていければと考えている」との見方を示した。