“感染リスク高める行動”を避けて 「Go To」東京追加前に分科会が呼び掛け
政府は25日、有識者らによる新型コロナウイルス対策分科会を開いた。その後、尾身茂会長(地域医療機能推進機構理事長)が記者会見し、10月1日から「Go Toトラベル」キャンペーンに東京都を加える方針の政府に対し、地域を超えた感染拡大を防ぐための提言をしたと発表した。 【動画】「GoToイベント」や入国制限緩和など議論 コロナ分科会後に尾身会長が会見
尾身会長は、地域を超えて感染を広げる可能性を規定する要素として(1)人口10万人当たりの感染者数(2)感染リスクを高める行動(3)旅行者の総数――の3つを挙げた。 そして「当該地域での感染が一定程度に制御されている場合には旅行者の総数を強力に抑制しなくても、感染リスクを高める行動を避けることで地域を超えて感染を広げる可能性を低くすることができると判断している。一方で、当該地域の感染がかなり拡大してしまった場合には、人々の感染リスクを高める行動を避けるのみでは手遅れになるので旅行者の総数を強力に抑制する必要が出てくる」と述べた。 その上で、各地域では感染を制御可能なレベルに維持していくことが求められ、「万が一感染が拡大し制御困難になると社会経済活動との両立が不可能になってくる」と警告した。
「感染リスク高める行動」とは?
では、「感染リスクを高める行動」とはどのようなものを指すのか。 これまでもマスクの着用や手洗い、「3密」の回避などが感染予防策として挙げられてきた。尾身会長はそれらに加え、「クラスターが起きる場所は少し前までは夜の街だったが、だんだんといろんな場所でクラスターが起きてきている」とし、「きょうまでに分かっていること」と前置きしながら、感染リスクが高まると考えられている7つの状況を以下のように説明した。 (1)飲酒を伴う懇親会 飲酒をすると聴覚が鈍ると考えられ、大きな声になりやすい。飲酒の影響で、感染防止のガードが下がると考えられる。 (2)大人数や深夜におよぶ飲食¬ 深夜におよぶ飲酒は昼間の食事に比べて感染リスクが高まると考えられる。 (3)大人数やマスクなしでの会話 接客や仕事の休憩時間などの際にマスクを外して会話すること感染リスクが高まると考えられる。 (4)仕事後や休憩時間 感染対策をとった事務的な仕事の感染リスクは低いが、仕事後や休憩時間に密な状況が生じると感染リスクが高まると考えられる。 (5)集団生活 学校の寮やクラブ活動などで大人数が閉鎖空間に長時間いるときに感染リスクが高まると考えられる。 (6)激しい呼吸を伴う運動 換気の悪い閉鎖空間で人と人の距離が近い状態で激しい呼吸を伴う運動を行うと感染リスクが高まると考えられる。 (7)屋外での活動の前後 屋外での活動自体は感染リスクが低いと考えられるが、その前後の車や食事などで3密が生じるとリスクが高まると考えられる。