【認知症の現実】「物が届いた時には買ったことを覚えていない」 ある日息子が大量の通販の請求書を発見 夜中に徘徊して帰れなくなることも・・・それでも要介護認定が受けられない!?
■ある日実家でみつけた大量の請求書
(Aさん) 「代引きだったので受け取る時に代金を払う仕組みだったんですけど、寝ていたのか気付かなかったのか荷物を受け取っていなくて。不在票が入っていても、自分が注文したってのを覚えていないから『なんだこれ』って感じで放ってしまって。」
神奈川県に住む40代男性、Aさんの父親は80歳で認知症を患っています。父親は東京都内に住んでいて、Aさんは同居していませんが、週に3回ほど会社の行き帰りに父親のもとに通っています。ある日、父親のもとを訪ねると大量の請求書があることに気付きました。健康食品の通販会社からのもののようでした。父親に「何か買ったのか」と尋ねたところ、「わからない」と言われたそうです。 (Aさん) 「『期限までに払わないと法的措置を取ります』と書いてあったので急いで払いに行きましたけど、結局、荷物はメーカーに返送されてるんですよね。だから、物はないのにお金だけ払わなければならない形になってしまいました」 「認知症」とは様々な脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して社会生活に支障をきたした状態をいいます。自分の家族が認知症になったら・・・。そんな特集をテレビなどで見かけることがあります。しかし、その多くは認知症がかなり進行した状態です。当然のことですが、認知症は徐々に進行していきますので、初期段階があります。そして、初期段階だからこそ慣れていない家族は翻弄されることになります。家族が認知症になったら、まずどういうことが起きるのか。Aさんに「認知症の現実」を伺いました。
■認知症の兆候を「車の運転」で感じる
(Aさん) 「母親が死んだのが2019年。そのちょっと前から少し認知症の傾向があったかもしれません。いま80歳なので、70歳を超えたぐらいからちょっと怪しかったかなと思います」 Aさんがお父さんの認知症の兆候を感じたのは「車の運転」だったといいます。 (Aさん) 「車の運転がすごくヘタになったんですよ。なんか衰えたなっていう感じ。オペレーションをミスってるっていうよりは体が衰えてるなっていう。その結果、近くに運転試験場があるんですけど、その前の横断歩道で前の車に突っ込んで廃車にするという事故を起こしてしまって」 その後、父親を病院に連れて行き、認知症であることが明らかになりました。しかし、父親の反応はというと・・・ (Aさん) 「たぶん世代的にそうだと思うんですけど、昭和の生まれの頑張ってた世代は『大丈夫か?』って聞くと『大丈夫だ』って言うんですよね、即答で。だからあまり意に介していなかったです」
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