なぜ吉田麻也は今日未明開催”勝負”のサウジ戦を前に「批判されない監督など世界にいない」と森保監督全面支持を打ち出したのか
一連のやり取りを至高の選手ファーストだと受け止めた吉田は、さらにこう続けた。 「アジア最終予選初戦の大事な試合で、レギュラーで出ている選手個人のキャリアを重視して1試合スキップさせたのは、あの立場にある監督がなかなかできる決断じゃない、すごいなと僕は思ったので。だからこそ――」 これに「みこしを――」が続いたわけだが、実際にオマーン戦の終了間際に献上した決勝点は、冨安の不在が大きく響いたと言っていい。代役に指名されたセンターバック、植田直通(26・ニーム・オリンピック)が、死角となる背中から飛び込んできた相手フォワードに気がつかず、ほぼノーマークの状態でボレー弾を流し込まれた。 悔やんでも時計を巻き戻せない以上は、中国戦後に誓ったように、残り8試合をすべて勝つための準備を積み重ねていくしかない。オンライン取材でおもむろに言及した慣用句に込められた「縁の下での努力」を、吉田はすでに実践している。 「9月シリーズは本当に難しいと毎回思う。プレシーズンで自チームのことを、特に戦術面をかなり落とし込み、実際にシーズンが始まってすぐに涼しくなったヨーロッパと比べてまだ暑い日本へ移動するなど、いろいろな要素が相まっているけど、毎回繰り返しているのに引き締められなかった点で、僕の熱量が足りなかったと反省している」 オマーンに苦杯をなめさせられた遠因をこう振り返った吉田は、チームのメンタル面の引き締まり具合を常にチェックしながら、中東勢とのアウェイ戦で陥りやすい状況を踏まえて、不測の事態に備えて仲間たちに警鐘を鳴らしている。 前回にジッダのキング・アブドゥラー・スポーツシティー・スタジアムで戦った2017年9月のアジア最終予選では、サウジアラビアに0-1で敗れている。直前にロシアワールドカップ出場を決めていた日本の心の隙もあったが、満員のスタンドが醸しだす異様な雰囲気が、勝負に対してさまざまな影響を与えていた記憶はいまも残っている。