2列目再編成の”サプライズなき”森保JはW杯アジア最終予選の前半正念場であるサウジ、豪州戦に勝てるのか?
来秋のカタールワールドカップ出場をかけたアジア最終予選の前半戦の正念場、サウジアラビア(10月7日・ジッダ)、オーストラリア(同12日・埼玉スタジアム)両代表戦に臨む日本代表メンバーの25人が28日、日本サッカー協会(JFA)から発表された。 1-0で辛勝した7日の中国代表戦に臨んだ23人から故障中のMF久保建英(20・マジョルカ)、FW古橋亨梧(26・セルティック)ら5人が外れ、主軸のDF酒井宏樹(31・浦和レッズ)とMF南野拓実(26・リバプール)が復帰。MF田中碧(23・フォルトゥナ・デュッセルドルフ)ら4人の東京五輪代表を含めた5人がさらに加わった。 オマーン代表との初戦で敗れ、現状でグループBの4位に甘んじる日本にとって、9月シリーズで連勝発進したサウジアラビアとオーストラリアは、カタール行きの切符を自動的に獲得する2位以内に入る上での最大のライバル。オンライン会見に臨んだ森保一監督は、大一番へ向けて「10月の戦いにおいてベストな布陣」と連勝を誓った。
久保、古橋が故障離脱。伊東はサウジ戦累積欠場
中国と戦ったカタールの首都ドーハから帰国せず、ヨーロッパ組の視察行脚に当てていた森保監督は、JFAのヨーロッパ拠点があるドイツ・デュッセルドルフからオンライン会見に登壇。ライバル勢の連破を10月シリーズの目標に掲げた。 「最善の準備をして、最大の勝ち点をつかみ取れるように全力を尽くしたい」 グループBのライバル、サウジアラビアとオーストラリアとの連戦となる10月シリーズは、7大会連続7度目のワールドカップ出場を目指す上で最初の正念場となる。 それまで無敗だったオマーンにまさかの苦杯をなめさせられ、チームとしての体を成していなかった中国に辛勝した9月シリーズ。キャプテンのDF吉田麻也(33・サンプドリア)は、来たる10月シリーズを「前半戦のカギになる」と位置づけていた。 「サウジアラビアとオーストラリアをしっかりと叩いて、勝ち点6を取らなければいけない。僕らはもう一敗もできない。残り8試合全勝を目指してやっていくだけです」 しかし、中国戦で先発したトップ下の久保、左サイドハーフの古橋がともに故障離脱。値千金の決勝点をアシストした右サイドハーフの伊東純也(28・ヘンク)も累積警告でサウジアラビア戦の出場停止と、苦戦しながらも初勝利をあげた流れを上手く継続できない。 「出場できない選手に関しては、その選手がいない分、やってやろうと思っている選手、実力のある選手がいる。いろいろなアクシデントはあるので、そのときに出た選手たちが日本のために走って、戦って勝利を目指してもらえれば」 再編成を余儀なくされた2列目にこう言及した森保監督のなかで、おそらくはファーストチョイスはすでに固まっている。トップ下に鎌田大地(25・アイントラハト・フランクフルト)が復帰。右に堂安律(23・PSVアイントホーフェン)、そして左には左太ももの違和感で中国戦前に代表を離脱した南野が入るだろう。 招集された25人の顔ぶれを見る限りは、2列目以外の他のポジションもサプライズはなく、これまでの流れが継続されている。チーム内の実績と序列を重視し、メンバーを固定して戦う森保監督の方針は、例えば遠藤航(28・シュツットガルト)とコンビを組む、もう一人のボランチに関する質問の答えに色濃く反映されていた。