【Q&A】火山で注目「コンゴ民主共和国」ってどんな国?
コンゴ民主共和国。1997年までの国名は「ザイール」で、その呼び名の方が馴染みのある人もいるかも知れません。2021年5月22日にはアフリカで最も活発な火山とされるニーラゴンゴ火山が噴火して溶岩が近くの街に迫り、世界的なニュースになりました。絶滅危惧種のゴリラが生息する国でもあります。どのような国なのでしょうか。国際協力機構(JICA)の同国事務所、柴田和直所長に話を聞きました。
*** 【3つのポイント】 ・1997年までの国名は「ザイール」 ・200以上の民族が共存 ・コバルト、銅、ダイヤモンドなど鉱物資源に恵まれるも最貧国の1つ ***
Q:そもそもどこにある国でしょうか?
アフリカ大陸の中央です。広さは約234万平方キロメートルで、日本の約6倍、西ヨーロッパとほぼ同じ大きさです。アフリカでは、アルジェリアに次いで2番目の広さを誇ります。 西にはアンゴラ、コンゴ共和国、北には中央アフリカ共和国、南スーダン、東にはウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア、南にはザンビアと9つの国々に囲まれています。
Q:「コンゴ共和国」は別の国ですか?
「コンゴ民主共和国」は、1960年の独立前はベルギーの植民地でした。それに対し、「コンゴ共和国」はフランスの旧植民地です。国名は似ていますが、別の国です。
「コンゴ」という言葉の意味には、「集まり」「狩人」「山」などいろいろな説があります。この地域には14世紀から20世紀の頭まで「コンゴ王国」という国があり、その名を冠した長大なコンゴ川が流れていることが、両国の名前の由来になっています。
Q:国の地理的な特徴を教えてください。
首都キンシャサのある西部から東部に至るまで、コンゴ川に沿った熱帯雨林が広がっています。南米アマゾン川流域に次ぐ世界第2位の大きさで、大量の二酸化炭素を吸収するため、「地球の片肺」とも呼ばれています。
一方、東側には高原や山地が広がり、5月に噴火したニーラゴンゴ火山をはじめアフリカでもっとも活発な火山帯と大きな湖があります。自然環境が豊かで、絶滅危惧種のゴリラが生息する地域もあります。