地球外生命を探して -太陽系の“三大名所“をめぐる 1.火星
谷:はい。では火星にターゲットを合わせます。ではこのまま火星に近づいていきますよ。地球の以外で生命がいる星っていうと、火星を思い浮かべる方って結構いらっしゃるんじゃないかなと思いますけれども、さあ、今日はどんなお話が聞けるんでしょうか。 赤い火星が見えてきました。そして、何か表面の模様っていうんですか、地形のようなものも見えてきたんですけれども、ではここで生命探査の観点から火星について関根さんにガイドをいただきます。 関根:火星というのは火の星って書くんで、よく熱いんじゃないかって思っている人がいらっしゃるかもしれませんが、水・金・地・火・木なんですよね。地球よりも太陽から遠くを回っている。なので、太陽の光が弱いので、その分地球よりも温度は低いです。だいたい平均的にはマイナス60度、まあ南極の寒いときと同じぐらいが平均気温です。 ただ、一番暖かいときの夏の赤道の辺りはプラス20度ぐらいまでいくことがあります。つまり、今の外より火星、暖かいときがあるってことです。ただ、大気圧が非常に低いので、液体の水がじゃぶじゃぶ存在することはできなくて、非常に乾燥した寒い星であるっていうのが火星の姿です。
ただですね、火星を今までいろんな探査機が行って調べてきたんですが、どうも昔は地球みたいな環境があったんじゃないか。ここで見えているこの絵は何かというと、火星の地表の高さを色で表しています。赤い色のほうが高度の高い山です。青い場所は高度の低いところ。よく見ると、川みたいな地形があるの、分かりますかね。 谷:何か、水が流れているような。 関根:例えばこの辺ですね。ここを拡大すると、こう、実際に川の流れた、川というか水の流れたような地形があることは、何十年か前から分かっていました。最近の探査で分かってきたのは、もっとさらに拡大しています。上の絵が、差し渡し数キロぐらい。お台場全体が入るぐらいですが、その下の写真は横から横までだいたい200メートルぐらいです。だから、この画像の解像度、1ピクセルがだいたい30センチ。だから火星にもし人が歩いていたら、今われわれ探査機で見ることができる、そういうレベルを見ています。 そういうレベルでこの川だったところを見ると、そこには粘土の地層がたくさん存在していることが分かってきました。さらに、NASAの探査機は、ここに着陸機を降ろしました。今から10年以上前に2台の着陸機を降ろしました。だいたいこのテーブル、小さいテーブル1つ分ぐらいの探査車なんですけど、このオポチュニティというのがその1つの火星の地層のところに降り立って、詳しいところを調べてきました。なので、全球のグローバルなスケールから数百メートルにいって、これがオポチュニティが降りた地点の地層の写真、実際の火星の上の写真です。