羽生結弦の現役続行宣言とも取れる前向き発言が海外に波紋…「“神的存在”が満員の会見で引退の噂を一蹴」
北京五輪のフィギュアスケート男子シングルで4位に終わっていた羽生結弦(27、ANA)が14日、現地のプレスセンターで会見を開き、現役続行宣言とも取れる注目発言を行った。質疑の前に感謝の言葉を伝えた羽生は、直前に欠場さえ考えたほどの怪我を負っていたことを明かし、4年後のミラノ/コルティナ・ダンペッツォ五輪に向けて「また滑ってみたい気持ちがある」と意欲を見せ「大好きなフィギュアスケートを大切にしながら極めていければいい」とも語った。揺れる心境を素直に言葉にしたものだが、海外メディアやファンの間で波紋が広がった。
「納得のいく誇れる4回転アクセルだった」
殺到した取材の申し込みに対応するため特別に設定された羽生の注目会見。質疑が始まる前に、羽生は左手を上げて発言を求め、メディア、関係者、ボランティア、そして「滑りやすくて飛びやすくて気持ちのいいリンク」と、整氷などをした会場関係者へ感謝の意を伝えた。 8位に終わったSPでは氷の穴にブレードが引っ掛かって冒頭の4回転サルコーが跳べなかったことが話題となったことに対する気遣いと見られる。また金メダルを獲得したネイサン・チェン(22、米国)に対する称賛とリスペクトの言葉も忘れなかった。羽生らしい礼を尽くした姿だ。 羽生はフリーの前日練習で足首を捻挫し「普通の試合だったら完全に棄権していた」という状態だったにもかかわらず、フリー当日の6分間練習に入る10分前に痛み止め注射を打ち強行出場していたことを明かした。 その状況でフリーでは4回転アクセルに挑戦。転倒はしたが、片足着氷で、アンダーローテーションながら、ダウングレードとはならず、ISUの公認大会で初めて4回転アクセルが認定された。 「自分の中でも最高の4回転アクセルができた。軸が細くて高くて綺麗だなと言われる誇れるアクセルだった」 初めて4回転アクセルという夢を口にした9歳の時の羽生に支えられ、引っ張られた結果で、今回の4回転アクセルのジャンプのフォームは、9歳の時と同じだったという。 当初、羽生の記者会見の開催がリリースされた際、「引退会見ではないのか」の憶測が飛び交い、JOCがわざわざ追加で、羽生からの発表ではなく、殺到した取材に対応するものだと、情報を出して、引退会見の憶測を打ち消すというちょっとした騒動もあった。 それほど世界が注目している羽生の今後の進退については、羽生人気の高い中国のメディアから「五輪はこれが最後になるのか?」と質問され、こう真摯に返答した。