銀メダル鍵山と銅メダル宇野は4年後のミラノ/コルティナ・ダンペッツォ五輪で“打倒”ネイサン・チェンを果たすことができるのか?
北京五輪の男子フィギュアを制したのはネイサン・チェン(22、米国)だった。フリーで4種類の4回転ジャンプを5本成功させ218.63をマークし、合計332.60で金メダル。五輪初出場で銀メダルを獲得した鍵山優真(18、オリエンタルバイオ・星槎)とは22.55点差、2大会連続の表彰台となる銅メダルの宇野昌磨(24、トヨタ自動車)とは39.6点差の大差がついた。ネイサンは今後の進退を明らかにしていないが、現役続行するとすれば、4年後に、この差を埋めて“最強”ネイサンの牙城を崩すことはできるのか。
「数年間のすべてが詰まった銀メダル」
宇野は勇ましく攻めた。 「ボレロ」の曲調に合わせ、冒頭の4回転ループは綺麗に決めたものの、続く4回転サルコーは両足着氷となり、4回転フリップでステップアウトして手をついた。 さらに後半では、4回転トゥループ+3回転トゥループの連続ジャンプが、4回転トゥループの単独となり、3回転アクセル+1回転オイラー+3回転フリップの3連続ジャンプでは最後のフリップが1回転で終わってしまった。 GOE加点が満足にもらえず、フリーは全体で5位の187.10。それでも合計点は、293.00として自己ベストは更新した。 「悔しいというより、4年間、いろんなことがあった中で、ちゃんと五輪に出場することができ、3位という成績を出したことを嬉しく思う」 平昌五輪の銀メダルに続き2大会連続の表彰台となる銅メダルだ。 五輪デビューとなる18歳、鍵山の成長は止まらなかった。五輪で初投入となった4回転ループは着氷で片手をついてしまいGOEがマイナス4.65となった。後半の4回転トゥループ+1回転オイラー+3回転サルコーの3連続ジャンプの最後が2回転になる小さなミスもあり、団体のFSで叩き出した今季世界最高得点の208.94は更新できなかったが「このフリーが最後だと思うと五輪に来て初めて緊張した」という中で、201.93を叩き出したのだから堂々の銀メダルである。 「この数年間のすべてが詰まった銀メダル。苦しかったこともあるが、それを乗り越えた結果、自分の成長を感じています」 初々しく自信にあふれた言葉。2度五輪出場のオリンピアンの父で専属コーチである正和さんと、最高の笑顔でカメラマンのリクエストに応えていた。 だが、金メダルを獲得したネイサンは、一人異次元の世界を演じた。