羽生結弦の現役続行宣言とも取れる前向き発言が海外に波紋…「“神的存在”が満員の会見で引退の噂を一蹴」
また米メディアのインサイダーは「羽生が引退の噂を打ち消すも、足首に重傷を負って今は氷上に出ないように言われていることを明かす」とタイトルをつけて報じた。 「日本のアイス・プリンス(氷の王子様)である羽生は、五輪で痛めた足首の怪我から回復しつつあるが、今は氷上に出ないように言われていることを明らかにした」と、会見の内容を詳細に伝え、この記事でも、注目されていた引退の噂について、こう記した。 「羽生が、試合後、リンクを去る前に笑顔で氷に触れていたことから、氷との別れ(引退)を惜しんでいるのではないかとの憶測が流れた。しかし、彼は会見で『このリンクでの演技が最後だったので、氷に感謝しました。これが私の最後の五輪になるかどうかはわかりません』と話した」とし、現役続行に前向きな姿勢を示したと伝えた。 欧州のスポーツ専門局ユーロスポーツも羽生の会見での今後の進退に関する発言について触れ、「羽生、4回目の五輪、ミラノ・コルティナ大会出場の可能性を残す。羽生は『またここ(五輪)で滑りたいと思う自分がいる』と語り、4回目の冬季五輪となるミラノ・コルティナ大会への出場を否定しなかった。羽生は、北京ではSPとフリーでミスをしてしまい、表彰台に上がることができなかった」と報じた。 「羽生の会見は彼の国では生中継され、2度のゴールドメダリストの知名度を物語っていた。そして五輪とのかかわりは終わったのか、という必然的な質問を受けた」と伝え、4年後の羽生の心理をこう推測した。 「この種目で史上最高のアスリートとも言われている羽生は、2026年に31歳になる。この種目は、一般的には若い選手に向いているスポーツだと考えられている。しかし偉大なライバルであるチェンが米代表として金メダルを獲得したのを見て、27歳の羽生は五輪でのキャリアを最高の形で締めくくり、タイトルを取り戻したいと考えているのかもしれない」 羽生の会見内容は、すぐさま英語、中国語に訳されて世界へ拡散。海外のファンもSNS上で、英語、中国語、韓国語、スペイン語などで、様々な意見を書き込んだ。 「彼はいつもインタビュアーの方を向いて、目を見て質問に答えている。そこには彼の品格が垣間見える」、「彼の体や足がフィギュアスケートを諦めない限り、引退はしない。それが羽生結弦だ」、「羽生選手が引退したいと思っていても、それは悪いことではない。素晴らしい選手だから彼の好きなようにやってほしい」、「彼はまだスケートを辞めない。今回は、完全な羽生に向けての最後の挑戦ではなかった」、「まだまだフィギュアスケートの達人ではないかのように、彼は、このスポーツを愛し、マスターするために努力し続ける。彼のフィギュアスケートへの情熱と献身は絶対的なものだ」など現役続行を支持するコメントが多数を占めた。 94年ぶりとなる五輪3連覇を逃した羽生は、こう言って会見を締めた。 「もちろん3連覇ということは消えてしまったし、その重圧からは、解放されたかもしれないですが、ソチ五輪が終わったときに言っていたことと同じで、僕は五輪王者だし、2連覇した人間として、誇りを持って胸を張って、後ろ指を指されないように明日の自分が今日(の自分)を見たとき、胸を張っていられるようにこれからも過ごしていきたい」 羽生は20日のエキシビションに登場予定。五輪のエキシビションは、メダリストの出場が通例のため異例の抜擢となるが、この日は、「10日間安静」の医師の制止を振り切って練習リンクに上がっている。