スマホが使えなくなる!? 2024年に起こりうる「宇宙天気災害」とは #災害に備える
災害から身を守れるような宇宙天気予報を
しっかりと対策していくために、斉田さんは気象予報士の観点から、宇宙天気ならではの特性について知っておくことの重要性を説く。 「気象予報は5日先までの災害の危険性をある程度は予測できる時代となり、それをもとに計画運休などの防災行動計画があらかじめつくられています。ですが、気象衛星に影響が出ると天気予報が当たらなくなり、台風や大雨など他の気象災害と重なる複合災害も懸念されます。さらに、宇宙天気の特徴のひとつが、地震や台風のように目に見え、体感できるものではないということ。災害時に一番怖いのはパニックに陥ることなので、目に見えず、体感できないものであることが広く認知されることも重要です」
日本においては、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が運営するウェブサイト「宇宙天気予報」で毎日、太陽活動の状況が発信されているが、その認知度は高くない。 NICTが主催する宇宙天気ユーザー協議会のアウトリーチ分科会長でもある斉田さんは、「認知向上だけでなく、今後は生活への影響まで理解できる形を目指していくことも重要」と未来を見据える。 「宇宙天気は現状、太陽フレアの規模など物理現象を伝えるにとどまっています。一方、天気予報は、傘の必要性や服装の提案、災害に備える行動まで発信しています。宇宙天気も同じように、これからは具体的な行動に落とし込めるような情報発信に変えていく必要があります。気象庁のサービス『キキクル』では、雨量ではなく、土砂災害や浸水、洪水といった災害ごとの危険度の高まりがわかりますが、NICTでも早ければ2024年頃から社会的影響の大きさを考慮した情報発信に変えていこうと動いているところです」
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