岐阜、長野県に大雨特別警報 気象庁「少しでも命の助かる可能性が高い行動を」
気象庁は8日早朝、岐阜県と長野県に大雨特別警報を出した。午前7時半から記者会見を開き、「土砂災害警戒区域、浸水想定区域などではすでに何らかの災害が発生している可能性が高く、警戒レベル5に相当する状況」だと述べ、「少しでも命の助かる可能性が高い行動を取ることが重要」だと呼びかけた。 【地図】気象庁「洪水警報」の危険度分布
「避難場所にこだわらず」安全な場所に移動を
特別警報が発表されたのは、岐阜県では高山市、飛騨市、下呂市、中津川市、恵那市、郡上市の6市、長野県では松本市、安曇野市、乗鞍上高地、伊那市、宮田村、上松町、南木曽町、王滝村、大桑村、木曽町、飯田市、阿南町、阿智町、下條村、売木村の15の市町村など。 会見した気象庁予報課の中本能久課長は「指定された避難場所に向かうことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた頑丈な建物の上の階などに避難する判断をしてください。それすら危険な場合には、崖と反対側の2階以上の部屋に移動するなど少しでも命の助かる可能性が高い行動を取ることが重要」だと述べた。 さらに「特別警報が発表されてから避難するのでは手遅れになる」と訴え、特別警報を待たず、地元市町村から出される避難勧告などに従って身の安全を図るよう求めた。土砂災害や洪水などの危険度をリアルタイムで伝える気象庁の「危険度分布」や各地の地方気象台が発表する情報を避難などの判断材料としてほしいとした。 大雨特別警報は今後、他の市町村にも発表する可能性があることにも言及した。
岐阜・下呂市の飛騨川が氾濫
岐阜地方気象台などによると、同日午前7時10分には、岐阜県下呂市萩原町の中呂付近の飛騨川左岸で氾濫が発生したと発表された。そのほか、岐阜県美濃市の長良川の美濃水位観測所で氾濫危険水位に達する見込みだとの氾濫警戒情報が発表されている。