「安全になったわけではない」 福岡・佐賀・長崎県の大雨特別警報を警報に切り替え 引き続き災害に警戒を
気象庁は7日午前11時40分、福岡・佐賀・長崎県に発表していた大雨特別警報を警報に切り替えた。切り替えに先立ち、気象庁と河川を管理する国土交通省が合同で記者会見を開いた。 気象庁の中本能久予報課長は「大雨特別警報の発表である数十年に一度の大雨という状況は解消されつつある。警報に切り替わるが、安全になったわけではない。引き続き、身の安全を確保してほしい」と呼び掛けた。 国交省の高村裕平河川環境課長は「球磨川で大きな浸水被害があったが、熊本県人吉市の浸水状況を見ると、ハザードマップとほとんど同じ。ダムや堤防の能力を超えるような大きな雨が降った場合、浸水想定のとおりの浸水が予想されるということだ。どこの河川も既に大雨が降った後で、浸水、氾濫が起きやすい状況。改めて、ハザードマップで、住んでいるところが浸水想定エリアかどうかを調べ、エリアであればいち早い避難をしてほしい」と話した。 国交省によると、これまでに降った大雨によって、すでに大分県日田市で筑後川の氾濫が発生。浸水が始まっている。大分県と熊本県にまたがる下筌ダムでは、水位が上がり、これ以上貯水できない状況になってきたため、ダムに流れ込む水と同程度の水を放水する「緊急放流」を行っている。 気象庁によると、梅雨前線は引き続き同じような位置に停滞し続ける見込みで、九州地方を中心に、全国的に大雨が降りやすい状況がしばらく続く。今後の大雨特別警報の発表の可能性について問われた中本課長は「どこかはわからないが、可能性は否定できない。特別警報を待ってからでは手遅れになるので、待たずに避難を」と話している。