なぜオーストリア遠征の森保Jに欧州CL出場組の中島翔哉と奥川雅也が選ばれなかったのか?
「オランダ遠征でも1試合目より2試合目を、改善および修正しながら戦った。オーストリアでの2試合も、日本が戦うベースとなる部分をより出していけるように確認していきたい。活動後に選手たちがそれぞれの所属チームに戻るなかで、代表との戦術の違いがある。選手たちが代表活動で、そして代表の戦いのなかで迷うことなく、思い切ってプレーできるようにいつもベースから入っている」 長期にわたる空白期間を強いられた特異な状況だからこそ、本来ならば積極的に新戦力を抜擢して、力を試す絶好の機会にもなる国際親善試合を、チームのベースを再確認する時間にあてたいと森保監督は説明した。そのなかでオランダ遠征において初招集され、カメルーン代表戦の後半終了間際にデビューを果たしたDF菅原由勢(AZ)を、今回も引き続き招集している。 もっとも、菅原の抜擢に関しては東京五輪世代の20歳という背景を抜きには語れない。森保監督も「厳しい言い方かもしれないが」と断りを入れた上で、菅原についてこう言及している。 「前回の招集に関しては、所属チームでレギュラーではないなかで招集した。代表で刺激を受けて、チームに帰ってから成長してほしいと思い、ヨーロッパで代表活動するメリットとして経験の浅い彼を招集した。実際、チームに戻ってから試合に出ているが、レギュラーというところまではいっていない。今回の活動でも刺激を受けて成長してもらい、彼の存在価値を上げていってほしい」 来夏の東京五輪に臨む男子代表チームの指揮も兼ねる森保監督は、五輪代表チームの活動そのものも休止している状況で、主力選手をフル代表に引き上げながら強化を図る青写真を描いてきた。 再開された活動でもフル代表の常連になって久しいDF冨安健洋(ボローニャ)、MF堂安律(ビーレフェルト)、MF久保建英(ビジャレアル)に加えて、DF板倉滉(フローニンゲン)、MF中山雄太(ズヴォレ)、MF三好康児(アントワープ)、そして菅原の東京五輪世代が続けて名前を連ねた。