城氏語る「カメルーン戦の採点は60点。問題は2列目が機能しなかったことだ」
これが新型コロナ禍の中ではない“平常時“の状況であれば「2、30点」といった評価の試合だろう。だが、新型コロナの影響で、約1年ものブランクがあり、海外組だけを招集しての代表戦。しかも、カメルーンは、アフリカネイションズカップを控えてモチベーションも高く、手足の長さを生かした個の能力に加え、ボールも回せるチームである。その条件下で、組織的な守備力を生かして“ゼロ封“したことには「60点」ほどの及第点を与えてもいいのではないか。 何しろ、この時期に代表戦を組めたことに意義がある。五輪世代を7人招集したが、来年は、東京五輪。もし代表招集が年を跨ぐことにでもなれば大変だっただろう。 森保監督の目指すべきサッカーの確認はできた。積極的に前からプレスを掛けにいき、チームとして狙いどころを定めて中盤でボールを奪い、守備から攻撃へ転じるという森保ジャパンのカタチは見えた。大迫が、試合後、「はめれるシーンが多かった」と振り返った部分だ。 特に、その守備ではCB冨安の存在感が光った。セリエAのボローニャで経験を積むことでプレーの幅が広くなった。元々、対人に強い選手だったが、フィジカルの強靭なカメルーンの選手を相手に当たり負けしていなかった。スペースを埋める動きや、チャンスだと思えば、積極的に攻撃参加するなどの自在性も身につき成長を感じさせた。 吉田も32歳。これからは冨安が守備の中心になってもおかしくないほどの安定感、統率力があった。このまま伸びればビッグクラブからお呼びがかかるかもしれない。 0-0で迎えた後半に森保監督は3バックにフォーメーションを変えた。体調不良で辞退した長友に代えて左サイドに安西を起用していたが、効果的な仕事ができていなかった。3バックに変えることで、中盤に厚みを持たせ、より攻撃的にいきたいとの狙いがあったのだろう。スピードのある伊東を投入して、右サイドの高い位置でプレーさせ、そこから何度かチャンスを作った。得点にはつながらなかったが、伊東が流れを変えたし、3バックの効果はあったように思えた。