なぜオーストリア遠征の森保Jに欧州CL出場組の中島翔哉と奥川雅也が選ばれなかったのか?
日本サッカー協会の反町康治技術委員長、関塚隆ナショナルチームダイレクターとともに、5日午後に実施されたオンライン会見に臨んだ森保監督は「招集できなかった選手に一人ひとり言及するのは、ここでは控えさせていただきたいが」と断りを入れた上でこう続けている。 「所属チームでの活動を見ているなかで選手がどのような状況にあるのか、どのようなコンディションにあるのかを見ながら招集させてもらっている。映像確認や所属チームとコンタクトを取って情報を収集しているなかで、ヨーロッパにいて今回招集できなかった力のある選手は大勢いる。 できればより多くの選手を招集させてもらって、選手同士のコミュニケーションを取っていってほしい。ただ、いろんな選択肢がある中で何でもかんでもというより、選択肢を持っていい活動にしていきたい。所属チームで結果を出し続ける選手であれば、急に招集されても日本代表として絶対に機能するとも思っている」 国際サッカー連盟の規約改正で、公式戦に倣って国際親善試合でも、ベンチ入りできる選手数の上限がキーパー3人とフィールドプレーヤー20人の計23人となって久しい。今回の遠征でもフィールドプレーヤーの一人がベンチ入りできない状況がある。 加えて森保ジャパンで17試合に出場した実績をもち、ピッチ内外で中心選手たちとすぐにコミュニケーションも取れる中島は、指揮官が言及した「いろいろな選択肢」の筆頭候補となる。だからこそ、ポルトガルを代表する強豪ポルトで、より多くの出場機会を得てほしいと考えているはずだ。 今回のオーストリア遠征をもって、日本代表は年内の活動を終える。次の国際Aマッチデーとなる来年3月からは、新型コロナウイルスで延期されているカタールワールドカップ・アジア2次予選が再開され、アジアの強豪国が集う最終予選が息つく間もなくスタートする予定になっている。 ただでさえ活動時間が限られている代表チームが、今年に入ってからは新型コロナウイルス禍で休止を余儀なくされた。ヨーロッパ組だけに限定したチーム編成でのオランダおよびオーストリア遠征を希望したのも、活動ゼロのまま2020年を終える状況を森保監督が危惧したからに他ならない。