明日代表戦…背番号「10」南野拓実は”最強”リバプールの[4-2-3-1]で何を得たのか?
2020年の幕開けとともに名門リバプールへ移籍し、6月には日本人選手で4人目となるプレミアリーグ優勝を経験。今シーズンの初陣では新天地における待望の初ゴールを決めても胸中に危機感と飢餓感をたぎらせたまま、MF南野拓実は今年初の日本代表戦への臨戦態勢に入った。 9日のカメルーン代表との国際親善試合(ユトレヒト、スタディオン・ハルヘンワールト)へ向けて、日本代表は7日にオランダ・アーネム近郊での合宿3日目に臨んだ。練習前にオンライン取材に応じた南野は「正直、いまの自分の立場や結果にはまったく満足していません」と言葉を紡いだ。 「移籍してから高いレベルの選手たちと練習から一緒にプレーしていますけど、試合で結果を出してこそ成長を実感できるので。レベルアップしているのか、と言われるといまの時点ではわからない。少しでもそれを証明するために、今回の2試合で目に見える結果を残せればと思っています」 昨年11月を最後に日本代表の活動から遠ざかっている間に、自身を取り巻く環境が一変した。5年間在籍したオーストリアのレッドブル・ザルツブルクから、ヨーロッパを代表するビッグクラブのひとつであるリバプールへ4年半契約で移籍。ただ、1月1日からの合流だったこともあり、昨シーズンはリーグ戦10試合、カップ戦3試合に出場しただけでノーゴールに終わった。 ハイレベルの選手たちが世界中から集う状況を承知の上で、リバプールの一員になった。特に真ん中のブラジル代表ロベルト・フィルミーノ、左のセネガル代表サディオ・マネ、右のエジプト代表モハメド・サラーで形成される3トップは、南野にとって高く、険しい壁であり続けた。
迎えた今シーズン。ボルシア・ドルトムント時代にブンデスリーガ連覇を達成し、2015年10月から指揮を執るリバプールで2018-19シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ、そして昨シーズンのプレミアリーグを制したユルゲン・クロップ監督のもと、南野は新たな組み合わせを試されている。 昨シーズンはフィルミーノの控え的な立場だったが、今シーズンの開幕前に併用された[4-2-1-3]や[4-2-3-1]で、南野はトップ下や両サイドでも起用されてきた。FAカップ王者アーセナルと対戦した、開幕前恒例のコミュニティーシールドでは[4-2-3-1]の2列目の左サイドで途中出場。試合はPK戦で敗れたものの、後半28分に同点ゴールを決めている。 「昨シーズンと比べて、積み重ねてきたもので少しずつ周りの信頼を得られていると感じています。今シーズンの最初の公式戦だった、コミュニティーシールドでゴールできたことは自分のなかで自信になりましたし、今後もつかんだチャンスでゴールやアシストという結果を残して、いまよりも出場時間を増やすことを含めて、大事な試合で使ってもらえるような選手になっていきたい」 リーグカップでは3部相当のリンカーン・シティとの3回戦、アーセナルにまたもやPK戦で敗れた4回戦でともに先発フル出場。前者では2ゴールをあげたが、4節を終えたリーグ戦ではまだ先発出場がなく、3度の途中出場にとどまっている。当然ながらゴールも決めていない。 「ザルツブルクのときよりも1試合1試合の注目度の高さや、試合自体のレベルの高さを感じていますし、そういう舞台でプレーできる喜びや充実感もあります。これを目標にヨーロッパへ来たこともあるし、だからこそ現状に満足するのではなく、しっかりと結果を残して(周囲に自分を)認めさせたいというか、自分の居場所というものをしっかりと確保していきたいと思っています」