「生まれて0秒で殺される子」を減らしたい…伊藤孝恵が「子どもの幸福度」が低い日本を変えるために考えたこと
2016年、3歳と1歳の乳飲み子を抱えながら、日本で初めての育休中に国政選挙に出馬し、当選を果たした国民民主党 参議院議員の伊藤孝恵さん。2018年に超党派ママ・パパ議員連盟を立ち上げ、子育て政策を推進してきた伊藤さんは、学校内民主主義(子どもたちの社会参画への主体性を育むため、児童生徒、保護者、教職員らが話し合いながら、校則や学校行事などを決めていくシステム)の法制化にも力を入れている。 【写真】バービーが出産して「この国は子どもたちに危険すぎる」と思った理由 選挙権年齢が18歳に引き下げられた2016年から主権者教育に取り組んでいる株式会社 笑下村塾 代表のたかまつななさんも、学校内民主主義の必要性を訴えている一人。たかまつさんは先日、伊藤さんを自身のラジオ番組に招き、さまざまな対話を繰り広げた。 たかまつさんが伊藤議員の異色の経歴に迫った前編に続き、後編となる本記事では、一期目からさまざまな政策を実現してきた伊藤議員の推進力の裏にあるもの、そして内密出産(匿名で出産をすることを望む母親が特定の人だけに身元を明かして出産すること)の法整備など、伊藤議員がいま一番課題意識をもって取り組んでいる問題について伝える。 ※本記事は、ジャパンエフエムネットワークのラジオ番組「PEOPLE~たかまつななの政治家とだべろう~」(毎月第一日曜日午前5時~JFN系列FM29局でOA)の内容を記事化したもの。番組は12月1日放送、取材は11月18日に実施。
批判しても嫌われない方法
――知り合いの政治家の方から、政治家になったら15年目くらいからようやく政策実現や好きなことができると言われたことがあるのですが、伊藤さんの実感としてはどうですか? 伊藤:そうした“期数コンシャス”な価値観を持つ人がいることは知っているし理解もできますが、例えば私は一期生でしたが国民民主党代表選に出て、「孤独・孤立対策推進法」や「ヤングケアラー支援法」などさまざまな政策を仲間と一緒に法律にしてきました。法律は二期生、三期生にならないと作れないとよく言われますけど、できるんですよ。 企画が通らない時って、企画の筋が悪いのか、企画の通し方が悪いかだけ。企画の筋はいいなら、企画の通し方を工夫すればいい。期数を重ねて力のある方に力を貸してもらうでもいい。違う政党の方でも、ノックして行くと話を聞いてくれます。そして私の会えない人につないでくれたり、私では出られない会議で発言をしてくれる。そういうつながりからできることもある、ということは伝えたいですね。 ――テレビ局の報道記者、そして資生堂やリクルートなどの大手企業での勤務経験が活かされているのかもしれませんね。でも、伊藤さんの人徳も大きいのでは? 伊藤:人徳というか、いい質問をし、礼と心を尽くして、責任から逃れずに汗をかく、という働く皆さんがしている当たり前のことを国会内でもしていれば、たまには力を貸してやろうかと思ってくれる人もいるんですよ。 ――でも与党に対して批判的な質問もしますよね。 伊藤:もちろんします。ただ、対案を必ずセットで出しています。批判したり反対するだけだったら楽で、その方が目立つし、時間もかからない。でも反対だったら理由を述べる。理由を述べられるんだったら、政策に反映できる。そしてそれがやがて、法律になる。この一連の流れが大事だと思っています。