体操の内村航平が引退会見(全文3完)体操だけうまくても駄目と後輩に伝えたい
最も自分の礎を築いた技は
共同通信:共同通信の藤原と申します。内村選手は以前、Twitterで体操に800ある技のうち500はできるというようなツイートをされていましたけれども、その今まで覚えてきた技の中で、最も自分の礎を築いた技であったり、印象に残っている、今、一番思いが残っている技がありましたら教えていただけますでしょうか。 内村:僕がそこまで技を習得できたのも、やはり技を覚える楽しさを知っているからだと思うんですよ。一番、技を覚えたことでうれしかった、楽しかったっていう記憶があるのが、蹴上がりという技で、たぶん小学校1年生か、ちょっと入る前かだったんですけど、これ知っている人は知っていると思うんですけど、いろんなメディアでもしゃべっているので、あのときの記憶が今でも覚えてて、僕、クラブでもそんなにすぐできるほうじゃなかったので、すごい技を覚えるの遅かったんで、蹴上がりを覚えたときの感動は、今でも本当に忘れられないというか。もうあれがあるからこそ500技ぐらい覚えられた原動力になっているのかなと思うので、それは自分の礎になっているかなと。 その中でも印象に残っている技というのはあと2つあって、リシャオペンと、ブレットシュナイダーですね。やはりリシャオペンは、今まで自分が習得してきた技の中で一番難しかったし、一番動画を見る回数も多かったし、考えたし、実際、できても本当にこれが合ってるのかなって思いながらずっとやってたし、その後も改良を重ねましたけど、やっぱりいまだに難しいと思いますね。 ブレットシュナイダーに関してもまさに同じで、本当に試行錯誤を重ねてあの領域までいけたので、でも試合じゃ1回も落ちていないっていうのが、この間なんかで見たんですけど、やっぱり1つの技に対してそこまで追い求められるからこそ、質とか成功率も高いんだろうなっていうのは自分でも思っているので、そういうところは下の世代の選手たちにも追い求めていってほしいというか。答えはないから、追い求め続けることが大事なんだよっていうのは言いたいですね。あと今後も技は増やしていく予定なんで、随時更新してこうかなと思っています。 司会:ありがとうございます。お時間の都合上、続いてのご質問を最後とさせていただきます。最後のご質問ある方、いらっしゃいますでしょうか。ごめんなさい、もう1問。ごめんなさい、もう1問ですね。失礼しました。