海外メディアも現役引退の内村航平の功績を称え惜しむ「”キング・コウヘイ”と呼ばれるレジェンド」「史上最も偉大な男子体操選手」
体操男子の個人総合で五輪連覇を達成するなど数々の記録を打ち立ててきた内村航平(33、ジョイカル)の現役引退発表は世界へ波紋を広げた。複数の海外メディアが内村の引退を惜しみ、その功績を称えた。 五輪の放映権を持つ米NBCスポーツは「体操のレジェンド、内村が引退」との見出しを取り、「歴代で最も偉大な体操選手として広く認知されている内村が自身のウェブサイトからのプレスリリースで引退を発表した」と伝えた。 記事は、「33歳の内村は2009年から2016年までの五輪、世界選手権で、男女を通じての記録となる8度の個人総合優勝を果たして、“キング・コウヘイ”として知られるようになった」と、その功績を称えた。 そして、「彼は東京大会が彼の4度目で最後の五輪となると何年も語っていたことで、五輪後にすぐに引退するだろうとの憶測につながっていた」という流れを説明した。 また「ジムを持つ両親が体操選手だった内村は、個人総合で2005年世界選手権王者の冨田洋之の後継者として2000年代後半に日本代表チームに加わった。19歳で内村は2008年の北京五輪で個人総合の銀メダルを獲得し、そこから、この競技でトップの座を支配し始め、2015年(世界選手権)と2016年(リオ五輪)にはライバルの中国チームを追い抜き日本の団体をトップチーム(優勝)に導いた」と内村の経歴を紹介。 「2016年のリオ五輪で彼は個人総合で44年ぶりに五輪連覇を果たした選手となった。内村は最後の五輪では競技を減らし、個人総合には出場しない予定でいた。2017年に始まった故障の数々は、内村を東京五輪に出場させることも難しくさせていた」と、最後は故障との戦いになっていたことを伝えた。
五輪、パラリンピック競技を扱うオンラインメディアの「インサイド・ザ・ゲーム」は「日本の体操選手で3つの五輪金メダルを持つ内村が、近年の故障に悩まされた後に引退することになった」と伝えた。 記事は「内村は歴代最高の男子体操選手の1人と考えられており、2012年ロンドン五輪と2016年リオ五輪の個人総合で金メダルを獲得し、またブラジル(のリオ大会)では団体の金メダルも手にした」と紹介。 「彼は2008年の北京五輪で団体と総合、2012年のロンドン五輪の団体と種目別床運動で4つの銀メダルを獲得した。内村は、この競技を10年近くにわたって支配し、2009年から2015年まで世界選手権で記録となる6年連続の総合優勝を果たし、床運動、平行棒、団体、鉄棒で2011年、2013年、2015年の大会で4つの金メダルを獲得した」と、その功績を称えた。 また東京五輪での内村については「東京2020で4度目の五輪選出を受けたが、ずっと続いた肩の故障のため1つの競技(鉄棒)の出場に絞った。7月の母国五輪では衝撃の敗退を味わった。彼は鉄棒のつま先旋回で滑り落ちて全体20位に終わり決勝進出を逃した」と記した。内村は、まさかの落下で種目別「鉄棒」で予選落ちしている。 さらに同メディアは、「3歳で体操を始め、内村はまた2017年まで国内個人総合のタイトルを10年連続で獲得している。内村は引退についてマネジメント会社が発表しただけで、まだ個人的にコメントを発していないが、金曜日(14日)に記者会見を行う予定でいる」と伝えた。 体操競技の専門サイト「インターナショナル・ジムナスト・マガジン」も「史上最も偉大な男子体操選手として広く知られている内村が33歳で引退することになった。しばしば“キング・コウヘイ”と呼ばれるこの日本のレジェンドは引退についてコメントは発しなかったが、彼のマネジメント会社が引退を発表した」と報じた。 内村のキャリアについて触れ、「内村の輝かしいキャリアは3つの金、4つの銀を手にした7つの五輪メダルと10の金メダルからなる21の世界選手権メダルが含まれる。彼は2015年の世界選手権と2016年のリオ五輪で、日本を団体金メダルに導いた。団体と個人総合に加えて、内村は床、平行棒、鉄棒でも世界タイトルを獲得した」と紹介。 さらに「日本のスーパースター(の内村)は2017年の世界選手権の予選で痛めた足首損傷から始まり、この何年かにわたり故障に苦しんできた。彼は昨年の東京五輪に鉄棒種目のスペシャリストとして出場したが決勝進出を逃した。2カ月後、彼は、故郷の北九州で行われた世界選手権に出場して鉄棒決勝で6位に入った」と付け加え、昨年の世界選手権が引退試合になったことを伝えた。 内村は14日に都内で会見を開き、引退を決断した経緯を説明することになっている。