自滅を誘った”森保采配”に疑問…サウジアラビアに0-1敗戦でW杯アジア最終予選突破に黄色信号点滅
4分が表示された後半アディショナルタイムに突入してすぐに、森保監督は長友に代えて中山雄太(24・ズヴォレ)を左サイドバックに入れた。しかし、戦況はまったく好転しないまま、敗戦を告げる主審のホイッスルを聞かざるをえなかった。 ベンチには攻撃的MFの三好康児(24・ロイヤル・アントワープ)が残っていた。あるいは長友に代えて別のセンターバックを投入し、吉田を最前線にすえるパワープレーも可能だったが、最後の一枚は左サイドバックの入れ替えにあてられた。 先発メンバーの人選と硬直化したままの途中交代。U-24日本代表を率い、金メダル獲得を公言しながら4位に終わった東京五輪から指摘され、オマーン戦を境にさらに不安視されてきた森保監督の頑固な一面、ネガティブにとらえれば冒険をよしとしないさい配が前半戦の大一番でも露呈し、痛恨の黒星の原因となってしまった。 試合後のフラッシュインタビューで、吉田は「まだ終わっていない」と必死に前を向きながら、残る7試合へ向けた覚悟と決意を語っている。 「もちろん批判されることはわかっていますけど、終わったときにジャッジしてもらえればいいと思います。結果が出なければもちろん、協会、監督、選手が責任を取る覚悟はできていると思うので、終わってから判断してもらえればいいです」 カタールの首都ドーハで行われていた一戦では、オーストラリアが3-1でオマーンを下して初戦から3連勝をマーク。得失点差でサウジアラビアを上回ってグループBの首位をキープしている難敵を、日本は12日に埼玉スタジアムに迎える。 最悪のケースとして日本がオーストラリアに負け、同日にホームに中国代表を迎えるサウジアラビアも勝った場合、両国との勝ち点差は9ポイントに広がる。カタールワールドカップ出場権を自動的に獲得できる、2位以内に入るのは極めて難しくなる。 残されるのはグループBの3位を死守した上で、グループAの3位とのアジア・プレーオフを勝ち抜き、さらに大陸間プレーオフ(どの大陸になるのかは未定)を勝ち抜くいばらの道となる。現時点で日本とオマーン、中国が勝ち点3で並び、得失点差で日本が3位、オマーンが4位、中国が5位につけている。 必然的に初戦で苦杯をなめさせられ、勝ち点3で並んでいるオマーンのホームに乗り込む、11月16日の第6戦が極めて重要なウエートを占めてくる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)