なぜ吉田麻也は今日未明開催”勝負”のサウジ戦を前に「批判されない監督など世界にいない」と森保監督全面支持を打ち出したのか
7大会連続7度目のワールドカップ出場を目指す日本代表が、日本時間8日午前2時から、敵地ジッダでサウジアラビア代表とのアジア最終予選第3戦に臨む。 大一番を翌日に控えた6日には、キャプテンのDF吉田麻也(33・サンプドリア)がオンラインでメディアに対応。オマーン代表との初戦でまさかの黒星を喫して以降、解任要求を含めた激しいバッシングがネット上を中心に巻き起こっている森保一監督(53)へ「みこしを担ぎたいな、と思う監督であることは間違いないです」と厚い信頼を寄せた。 サウジアラビア政府も同日、試合会場の5万人収容のキング・アブドゥラー・スポーツシティー・スタジアムで、新型コロナウイルス禍で設けていた60%の収容制限を撤廃すると発表。満員の白装束で埋まる可能性が出てきた状況下で、森保ジャパンは頼れるキャプテンの言葉を中心にさらに団結心を高め、連勝発進している難敵に立ち向かう。
海外メディアからの指揮官への厳しい質問
日本の日付が7日に変わった直後から、試合会場のキング・アブドゥラー・スポーツシティー・スタジアム内で行われた公式会見。オマーンとの初戦で敗れている状況を受けて、現地サウジアラビアのメディアから厳しい質問が森保監督へ飛んだ。 明日負けても、ワールドカップの舞台に立てると思うか――ひな壇の森保監督はいつもと変わらない、抑揚のないトーンで胸中を伝えた。 「明日は非常に厳しい試合になるが、負けることは考えていない。もしそのような結果になったとしても、日本があきらめなければ必ず出場権を勝ち取れると思っています」 海外メディアも関心を示すほどアジア最終予選の初戦を、優位なはずのホームで落とした影響は大きい。U-24日本代表を率い、金メダル獲得を公言しながら4位に終わった東京五輪を境にさらに大きくなっていた森保監督へのネット上の批判は、中国代表との第2戦で勝利しても収束するどころか、むしろ激しさを増していた。 なかには10月シリーズで連敗してもいいから、森保監督の解任と任命責任者である日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長の辞任を求める投稿まで飛び交う。 バッシングの渦中にいる指揮官へ、ジッダに集ったメンバーはどのような思いを抱いているのか。サウジアラビア戦前日にオンラインでメディアに対応した、キャプテンの吉田が返した答えはこんな言葉で締めくくられていた。 「だからこそ、みこしを担ぎたいな、と思う監督であることは間違いないです」 慣用句である「みこしを担ぐ」は「ある人を祭り上げる、おだて上げる」を意味していて、特に政治の世界において権力者を揶揄する場合の例えとしてよく用いられる。