自滅を誘った”森保采配”に疑問…サウジアラビアに0-1敗戦でW杯アジア最終予選突破に黄色信号点滅
当初は東京五輪代表の堂安律(23・PSVアイントホーフェン)が予想されたが、左ひざの違和感でサウジアラビア戦前日に戦線離脱。とはいえ浅野の起用にも驚きはなく、1トップの大迫勇也(31・ヴィッセル神戸)、左サイドバックの長友佑都(35・FC東京)、そして柴崎と森保ジャパンで築かれてきた序列通りの選手が先発した。 よく言えば石橋を叩いて渡るほど慎重を期し、チーム内で積み重ねられてきた実績を何よりも重視する森保監督の選手起用は、日本のメディアだけでなくファン・サポーターに安易に予想され、さらには対戦相手にも対策を立てられやすい弊害を招く。 試合途中の選手交代も然り。サウジアラビア戦では珍しく先に動き、後半14分に左サイドの南野拓実(26・リバプール)に代えて古橋亨梧(26・セルティック)を、浅野に代えて原口元気(30・ウニオン・ベルリン)を同時に投入した。 サウジアラビアは左右のサイドバックが高い位置を取り、積極的に攻撃参加してくる。南野も浅野も攻撃だけでなく、相手の両サイドバックに対する守備でもハードワークし、疲弊していたための交代だったと指揮官は試合後の公式会見で説明している。 システムは変えずに選手を代える。これでは現状維持はできても、試合の流れは変えられない。しかも合流直前に今シーズンの公式戦で8ゴール目を決めるなど、セルティックで1トップとしてブレーク中の古橋の適性は左サイドにはない。 中国戦で負傷退場した古橋はセルティックでも欠場が続き、当初は10月シリーズの招集メンバーにも名を連ねていなかった。一転して早期復帰し、追加招集された古橋は「与えられたポジションで結果を残すことが大事」と語っていた。 選手側からすればこう言うしかない。しかし、9月シリーズの2試合でわずか1得点に終わった攻撃陣を活性化させるために、所属チームで確固たる結果を残している、いまが旬のストライカーを最前線で起用しない森保監督のさい配は解せない。 失点した直後に、柴崎に代えて守田英正(26・サンタ・クララ)が、鎌田に代わってオナイウ阿道(25・トゥールーズ)が投入され、システムもオナイウと前半に2度訪れた決定的なシュートをゴールに結びつけられず、後半は時間の経過とともに体力的にもかなり消耗していた大迫を2トップにした[4-4-2]に変えた。 森保監督は試合後の公式会見で「交代させよう、としていたところでの失点となった」と自戒の念を込めながら、柴崎の交代に対してこう言及した。 「もっと早ければという部分については、対応としては間違いだったのかなと思っています。バックパスのズレは疲労と言えるのではないかなと思います」 しかし、2トップにしても攻撃は活性化されない。前半に3本を数えた枠内シュートは1本に減り、それも右サイドから原口が送ったグラウンダーのクロスが飛び込んできた古橋に合わず、相手キーパーにキャッチされたのがカウントされたものだった。 加えて、最後の5枚目の交代枠の使い方にも大きな疑問が残った。