月を目指す考え「確実にあります」若田宇宙飛行士が会見7月21日(全文2)
退職した野口聡一さんへの思いを聞かせてほしい
Science Portal:JSTのScience Portalの記者で草下と申します。よろしくお願いします。この質問は聞き方に大変気を付けなきゃいけないかなと思う質問ですが、若田さんの後輩の飛行士の野口聡一さんが先日、会見を開いてくださって、「功遂げ身退くは天の道なり」と、後輩や新人に道を譲るべきだとおっしゃって、JAXAを6月1日をもって退職なさいました。若田さんはさらに先輩でいらっしゃるわけですけど、もちろん人生の価値観はいろいろだと思いますけども、若田さんは野口さんのご決断をどういうふうに見つめられて、また、ご自身は宇宙飛行士人生どうありたいと思ってらっしゃるか。また今度も宇宙いらっしゃるわけですし、その辺の野口さんへの思い、ご自身の思い、お聞かせいただければと思います。 若田:野口宇宙飛行士とは、例えば私が初めて長期滞在をさせていただいたときに、プライムクルー、バックアップクルーということで、二人三脚で世界各国の宇宙センターで訓練をして、本当にお世話になった素晴らしい仲間で、JAXAを退職するということでとても寂しく思いましたけども、やはり彼の経験を生かして、次のステップで宇宙活動を支えてくれるだろうというふうに強く期待していますし、応援したいと思います。 私も先ほど申し上げましたけども、毎回の飛行が最後のフライトだと思ってやってまいりましたし、有人宇宙活動の現場での仕事、これをやはり生涯現役で続けたいという、そういう気持ちを持って、これまでも仕事に臨んできましたし、それは今後も変わらないのかなと思います。その現場の仕事っていうのが、実際に宇宙を飛行するのか、それとも宇宙システムの構築とか利用とか、運用を支えるのかっていうのは、さまざまな形がありますけれども、やはり有人宇宙活動の現場で仕事をしていきたいというのが私の希望です。
人とのつながりという面で若者にメッセージを
Science Portal:どうもありがとうございます。ご期待申し上げます。 若田:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。では先ほど、はい。どうぞ。 TELSTAR:宇宙広報団体TELSTARから参りました西野と申します。先ほどポスターのお話があったんですけど、そこにも、チームは強くなるというふうに書かれておりまして、宇宙開発ってやはりチーム、さまざまな人だったり、国の人たちと協力して行っていくことが必要だと思いますし、今後、またさらに人とのつながりっていうのが大事になると思います。弊団体は中高生という若い世代の方々に宇宙の魅力を伝えておりますので、このような若い世代、次の世代を担う皆さんに、人とのつながりという面で、何か若田さんからメッセージだったり、あとお考え、また、今、若いうちだからこそできる経験などがございましたら、ぜひお聞かせいただけたらと思います。 若田:ありがとうございます。そうですね、私も人生を振り返ってみると、いろんなところでチームの中で仕事だけじゃないですけども、させてもらったことがあります。もうこれは学校に入ったら、幼稚園でもそうですけども、小学校でも、やっぱり集団で、いろんな方と触れ合う機会がありますけれども、私が特に覚えているっていうのは、やっぱりクラブ活動みたいな。 私、高校のときも野球部で甲子園を目指していましたけれども、やはりチームの中で1つの目標に向かって、みんなが努力して、そこで敗退して失敗をしても、それを乗り越えようとみんなで努力してるようなとき、そういう時間っていうのは、そのあといろんな人生の中で貴重な経験になると思いますし、危機管理ということとか、それからミッションを成功させるためのPDCAというか、教訓を次につなげていくというようなこと、そういったことも含めて、チームの中で行動して、失敗も成功も含めて時間を過ごすっていうことは、とても重要なことだと思いますので、どれ1つっていうことはないと思います。 ただ、いろんなチームで、ものをつくってみるっていうこともありますね。それからスポーツもそうだと思いますけども、どんな形であっても、集団の中で1つの目標に向かって、みんなが取り組めるようなことっていうのを経験していただくっていうのは、将来、いろんなところできっと役に立つと思いますので、失敗してもいいので、幾つもそういったところに挑戦をしてもらいたいなというふうに思います。 TELSTAR:ありがとうございます。 若田:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。それでは次の質問の方、はい、では、あちらの。