じつは血液型で「病気のリスク」が違うことが判明…A型は胃がん、B型は糖尿病、AB型は脳卒中、では「O型」はなにか
ジェットコースターで結石を出す、うんちを移植してガンや認知症を治す、万引きや虐待の時に活性化する脳の部位がある…。こうした研究は実際に存在するものです。 【写真】性の先進国スウェーデンに学ぶ「幸福な”夜”の過ごし方」 そして、最先端の研究分野ではこのほかにも身体や病気について次々と新しい事実が明らかになっています。そんな“人体の話”をまとめたのが『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました』。 Xのフォロワー22万越えの大人気ニュースサイト「ナゾロジー」の協力のもと、岡山大学大学院教授の中尾篤典氏と脳神経科学者の毛内拡氏が解説します。(※本記事は同書の一部を抜粋・編集したものです。)
怪我での死亡率と病気のなりやすさも血液型でわかる?
A型は几帳面、B型はマイペース、O型がおおらかで、AB型は変わり者…血液型といえば、日本では性格診断によく使われています。 こうした診断は不思議と自分や周りの人に当てはめてみると当たっているように思うことが多いのですが、実際には科学的根拠はなく、日本でしか話題にならないことです。 もともと、血液型はカール・ラントシュタイナーという病理学者によって、1900年に発見されました。彼は、人の血清に他の人の赤血球を混合すると、固まる場合と固まらない場合があることを見つけ、これが今日のABO血液型になります。 A型の赤血球にはA抗原、B型にはB抗原、AB型にはAとBの両抗原がありますが、O型にはどちらの抗原もありません。この発見は、血液型不適合による輸血事故を減少させ、輸血を発展させるきっかけとなりました。 血液型は当初、血液だけでの判定方法として出発しましたが、その後、血液以外(他の体液や細胞、毛髪のように生きていない組織も)にも同じ特徴が分布することがわかってきました。 つまり、すでに血液型は「血液」だけではなく、個人を血清学的に識別する方法のひとつでもあり、そのため同じ血液型の人がどんな病気になりやすいかなどの特徴があるのは、ある意味当然のことかもしれません。 実際に、ここ数十年の研究の数々から、血液型によって病気のリスクが異なることが明らかになっています。(1)