「9月以降にクルードラゴンで宇宙ステーションへ」若田宇宙飛行士が会見7月21日(全文1)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士・若田光一さんは21日午後、都内で記者会見を行った。 【動画】宇宙飛行士・若田光一さんが会見 最多5回目の宇宙滞在へ(2022年7月21日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「宇宙飛行士・若田光一さんが会見 最多5回目の宇宙滞在へ(2022年7月21日)」に対応しております。 ◇ ◇
ISSで約半年間にわたってミッションに臨む予定
司会:それでは定刻になりましたので、ただ今よりJAXA若田光一宇宙飛行士の記者会見を始めます。私、本日の司会を務めます、JAXA広報部長の佐々木薫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日はメディアの皆さま、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。また、YouTube、JAXAチャンネル、ライブ配信ご覧の皆さまもどうもありがとうございます。初めに若田宇宙飛行士からごあいさつをさせていただきまして、そのあと会場のメディアの皆さまからのご質問をお受けしたいと思います。それでは早速、若田宇宙飛行士に登場いただきます。若田さん、どうも、本日はよろしくお願いいたします。どうぞ。 若田:はい、ありがとうございます。 司会:まず最初にごあいさつのほう、よろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。 若田:はい、皆さん、こんにちは。あ、マスクは外すんでしたっけ。 司会:マスク外していただいて。 若田:失礼しました。あらためまして、皆さん、こんにちは。JAXA宇宙飛行士の若田光一です。今日は多くの皆さんにお集まりいただき、ありがとうございます。この9月以降になりますけれども、SpaceX Crew-5、クルードラゴン宇宙船で宇宙ステーションにまいりまして、ISSの長期滞在、約半年間にわたってミッションに臨む予定です。
日本への信頼度が高くなっていることを実感
クルードラゴン宇宙船への3年連続、3回連続ですね、日本人が3回搭乗するっていうこと、そして長期滞在の機会を持って活動するっていうこと、これは日本が長年培ってきた有人宇宙技術の分野での信頼、その証しだと思いますし、と同時に国際協力、その象徴、その証しであるというふうに思っています。私も野口宇宙飛行士、星出宇宙飛行士に続いて、今回クルードラゴンで宇宙ステーションにまいりますけども、このような貴重な飛行機会で飛行させていただくことに感謝しています。 「きぼう」日本実験棟は2009年の7月に船外実験プラットフォームが取り付けられて、それから13年間、「きぼう」の完成からさまざまな利用成果、運用の成果を創出してきています。利用のほうも、民間の利用がかなり広がっているということ、そして「きぼう」日本実験棟だけではなくて、「こうのとり」、宇宙ステーションに物資を輸送する宇宙ステーション輸送機、こちらのほうも9機連続成功して国際宇宙ステーション計画に貢献してるということで、日本への信頼というのが非常に高くなっているということを実感してまいりました。 その「きぼう」の利用ですけれども、例えば人材育成という観点からは、超小型衛星放出というミッション、これは日本のみならず世界各国の人材育成にも貢献してて、50カ国、合計300機ぐらいの超小型衛星が「きぼう」から放出されてるという状況であります。そうやって考えると、世界中の国々の4分の1以上の国が「きぼう」を利用しているということが言えると思います。ですから「きぼう」日本実験棟というのは、日本のみならず世界各国からもなくてはならない存在になっているというふうに感じております。その「きぼう」利用の使い方に関しても、例えば創薬とか健康長寿のための研究開発など、さまざまな分野になりますけれども、ユーザーのほうもさまざまな研究機関、大学、それから民間の企業、国内外のさまざまな機関、企業が活用を進めてきているという状況になって、利用者の広がりというのもこの13年間、非常に広くなってきているというふうに感じております。 この宇宙ステーションというのは、月・火星探査に向けた非常に重要な技術実証の場でもあります。今年はアメリカのSLSという新しいロケット、アルテミス1号機が打ち上がる予定で、そこには日本のEQUULEUSという軌道制御技術を確かめる、そういったミッションですとか、世界最小の月着陸機、OMOTENASHIといったものがSLSの1号機に載って月に行くわけで、アルテミス計画によって、その進む活動の中の日本のトップバッターとして月探査というのが始まります。