3度目の宇宙へ 星出宇宙飛行士が会見(全文1)後半期間はISSの船長に
2020年に3度目の宇宙飛行に臨む星出彰彦宇宙飛行士(49)が、6日午前10時半から記者会見を行った。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、星出氏は2020年5月ごろから約半年間、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在。同年9月ごろからは、若田光一氏(54)以来日本人2人目のISS船長を務める。
宇宙飛行士・運用管制ユニット長の上垣内からの星出彰彦飛行士の紹介
司会:それでは定刻になりましたので、ただ今からJAXA、星出彰彦宇宙飛行士の国際宇宙ステーション長期滞在搭乗員の決定に係る記者会見を開催いたします。まず初めに登壇者を紹介いたします。東京事務所ですけれども、JAXAの有人宇宙技術部門、宇宙飛行士・運用管制ユニット長、上垣内茂樹でございます。それから今日は恐縮ですが、JAXAのヒューストン駐在員事務所からのテレビの参加になりますけれども、JAXA宇宙飛行士、星出彰彦でございます。よろしくお願いいたします。私は本日、司会進行を担当いたします広報部長の庄司義和と申します。よろしくお願いいたします。 それではまず最初に上垣内ユニット長から、ISS、64次、65次長期滞在搭乗員として登場する星出彰彦飛行士の紹介を行います。よろしくお願いいたします。 上垣内:ただ今、紹介にあずかりました宇宙飛行士・運用管制ユニット長の上垣内です。本日はお忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。今日はうれしいお知らせをしたいと思います。今ありましたようにISSの第64次、それから65次の長期滞在。それから第65次につきましては船長として就任する予定であります搭乗員として星出彰彦宇宙飛行士が決定されましたので報告とともに、お手元にあります資料で簡単に紹介をさせていただきます。 略歴にありますが、彼はJAXAの職員から、NASDAでしたけれども当時。1999年の2月に宇宙飛行士の候補者として選定されました。それから訓練を経て、最初のミッションは2008年6月にスペースシャトル、ディスカバリー号で今ある「きぼう」の船内実験室、それからロボットアームを取り付けるミッションにアサインされ実行しました。ですから今のある「きぼう」の実験室に最初に乗り込んだ日本の宇宙飛行士であります。 それからその次は2012年の7月から11月の、これはこのときはソユーズで飛んで上がっておりますけれども、長期滞在の宇宙飛行士としてISSに長期滞在をし、いろいろな実験等、それからこのとき船外活動も行っていますけれども、活動、活躍をしております。それ以降、例えばここにありますのは2014年の7月ですけれども、NASAが行っております極限環境ミッション運用ということで、これは訓練ですが、フロリダの海底に何人かで入って、その閉鎖環境でのミッションの運用する訓練をするものですけれども、ここでコマンダーを務めてございます。あとで紹介しますけれども、ESAが行うそういう野外の特殊な訓練でも彼はコマンダーを務めてございます。2016年4月からはJAXAの中で宇宙飛行士グループ長を就任し、現在はジョンソン宇宙センターのほうで、NASAの宇宙飛行士室との連携やいろんな訓練をしているということでございます。 彼は2020年の5月ぐらいから始まる長期滞在の、64次の長期滞在、65次の長期滞在と、それから船長に就任しました。この年は皆さん、ご存じのようにその前の半年の滞在が野口宇宙飛行士ということで、野口宇宙飛行士、星出宇宙飛行士、連続した長期滞在、これは日本としては初めてのものになります。これは日本の、宇宙飛行士たちも大変ですけれども、有人宇宙活動を支える者としても非常にその能力を高めるいい機会になるというふうに考えてございます。2020年はオリンピック・パラリンピックもございますが宇宙では新しいチャレンジ、有人活動のチャレンジに加えて、「はやぶさ」の帰還ですとかH3の打ち上げ等の非常に節目となる年というふうに期待しております。 その後ろにあります写真について簡単にご紹介します。これは主に地上で彼がやってきた業務について紹介してございます。最初にありますのが、めくっていただきますと上に、曝露パレットのクルー評価訓練とありますが、これは「こうのとり」で打ち上げたバッテリー、ISSのバッテリーがちゃんと船外活動で取り付くかどうかという評価を宇宙飛行士としてやると。ベテラン宇宙飛行士として、こういう評価もしております。それから先ほど少し申し上げましたが、ヨーロッパが、これは国際的なクルーで集まって、洞窟に入って探査をするという、これも訓練と、それから科学探査の一環ですけれども、ここでもコマンダーを務めてございます。 それからEVAの技量維持、向上ための訓練というのが2枚ございますが、これは船外活動、プールに入って行う訓練ですが、彼は訓練というだけでなくベテラン宇宙飛行士として、新しい船外活動の手順を確認する検証ですとか、それから久しぶりに、初めて行う、訓練を行う飛行士と一緒に潜ってベテラン宇宙飛行士として一緒に対応するというような役目も担っております。それから最後のページ、2枚ございますが、先ほど言いました極限環境ミッション運用訓練で海に潜っての、これは9日間でしたけれども、コマンダーとして務めてございます。 それから、先月行いました、金井宇宙飛行士の船外活動のときには、これは、金井宇宙飛行士のみならず、一緒に船外活動を行った、NASAのヴァンデハイ宇宙飛行士に対しても、地上から指示を出す役目として、的確に指示を出すというような活躍をしてございます。そういう、彼のリーダーシップ等も認められたということで、国際的な宇宙飛行士の運用を管理する会議において、この長期滞在、それから、ISSの船長として承認され、今回の決定に至ってございます。私からの説明は以上でございます。