月を目指す考え「確実にあります」若田宇宙飛行士が会見7月21日(全文2)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士・若田光一さんは21日午後、都内で記者会見を行った。 【動画】宇宙飛行士・若田光一さんが会見 最多5回目の宇宙滞在へ(2022年7月21日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「宇宙飛行士・若田光一さんが会見 最多5回目の宇宙滞在へ(2022年7月21日)」に対応しております。 ◇ ◇
月を目指す考えはないのか
日本経済新聞:日本経済新聞の小玉です。よろしくお願いします。先ほどの、最初のごあいさつでも、今回のミッションというのは、月とか火星のステップになるようなミッションにしたいっていうお話がありました。今、ご年齢のお話もありましたけれども、ご自身が月に立ちたいというご希望とか、目指すというお考えはないかっていうのを伺いたいんですけれども。 若田:それはもう、確実にあります。やはり生涯、有人宇宙活動の現場での仕事をしていきたいなというふうに思いますけども、実際に私が月に行く可能性っていうのは非常に低いのかなというふうに思いますけども、希望は常に持って頑張りたいと思いますけれども、そのために、若い世代の宇宙飛行士たちが月に降り立つために、やはり日本が優れた技術を持って、アルテミス計画に主体的に参加していくっていうことが前提になります。 われわれも、Gateway計画の中で環境制御システムですとか、そういった人間が宇宙で生きていくための装置類を提供するとか、そういった形での参画。それから研究をしているところが、月面有人ローバですね。そういったところで日本がきちんと宇宙システムを提供して、それが実現することによって、日本人の月面探査というのが実現すると思いますので、そのために私もこれまでの経験を含めて、支援をしていきたいなというふうに思います。
月探査に向けた技術実証の一部を担当
例えば、今回、私の長期滞在のミッションのときというのは、「きぼう」日本実験棟にCBEFっていう細胞培養実験装置っていうのがあって、これは小さい遠心加速器があって、その遠心加速器のスピードをコントロールすることによって、無重力、それから約3分の1の火星の重力、それから約6分の1Gの月面の重力を【**00:24:17】できるんですね。それを使って、実は月面車に使われるような走行系ですね。ギアとかそういったところに入ってくる潤滑オイル、これが例えば月面の6分の1Gではどういう挙動をするか。火星の重力下ではどういう挙動をするかっていったデータを集められるんですね。その実験の成果っていうのが、実際に、例えば月面ローバに使われるシステムに技術的に反映できるんじゃないかなというふうに思いますので、そういう意味で、「きぼう」を使って、月探査に向けたさまざまな技術実証をして、まさにその1つを私が今回、宇宙にいるときに担当することができますので、そういった形で日本の優れた技術をさらに伸ばして、月面探査につなげられるように、宇宙でもそういった実験に取り組ませていただきたいなというふうに思っています。 日本経済新聞:分かりました。ありがとうございます。 若田:ありがとうございます。 日本経済新聞:期待しておりますので、よろしくお願いします。 若田:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。お待たせいたしました。前列の。