変異株「若い世代も」重症化 脱毛や倦怠感などの後遺症も 尾身会長が指摘
変異ウイルスは若い世代でも感染しやすい――。政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は14日に開いた記者会見でこう強調した。 【動画】「歓楽街の夜間人口」「前週比」「若者の感染」感染拡大前の“3つのポイント” 尾身会長が会見
●専門家組織でも「子どもの感染」議論
従来の新型コロナウイルスは、若い世代は感染しても無症状者が多く、重症化しにくいとされてきた。政府が接種を進めるワクチンも16歳以上からが対象になっている。 尾身会長は、14日に開かれた厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」でも「変異ウイルスの子どもへの感染のしやすさ」についてかなり議論がなされたと明かし、「確かに子どもにも感染しやすいんじゃないかという議論があって、いずれは学校閉鎖も考える時期も来るということも可能性としてはあり得る」との見解を示した。 その上で「大学生は高校生とは違う」と若い世代への感染対策に言及。大学では「なるべく今の時期はオンライン授業」を求め、部活動や飲酒を伴う会食などは控えるようにしてほしいと語った。 さらに「特に専門家の間でいま強調しているのは、若い人たちでも変異株は感染しやすい(ということ)。実際感染している人が多い」と説明し、「重症化も結構する」「長い間、後遺症に(悩まされ)、味覚の症状や脱毛、倦怠感が問題になっている」と具体的な症例も紹介して感染対策の徹底を訴えた。
●大阪では学生の割合は「10%」と高い数字
関西では変異ウイルスの感染が拡大しているが、大阪府の吉村洋文知事も14日の会見で、変異ウイルスについて「感染速度が速い、もう1つは重症化しやすいという特徴がある」と指摘している。 大阪府では「第4波」とも言うべき感染の急拡大が見られるが、この第4波では「20代、30代、若い世代での伸び上がりが高い」「10代というか学生の全体に占める陽性者の割合が約10%と非常に高い数字になってる。中には小学校、中学校、高校、大学と、これまであまり感染としては見られなかった事例も見られるようになってきている」と具体的な数字も挙げて警戒感を示した。