「歓楽街の夜間人口」「前週比」「若者の感染」 感染拡大前に注視すべき“3つの要素”―尾身会長
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は15日、記者会見し、病床数の関係上一般医療との両立が2~4週間以内で難しくなることが想定された時点でサーキットブレーカー(効果的な対策を即座に打つこと)を発動すべきとの考えを示した。そして、20~30代の感染が拡大し始める、など感染が上昇傾向になる前の予兆として3つの要素があると提示した。 【動画】「歓楽街の夜間人口」「前週比」「若者の感染」感染拡大前の“3つのポイント” 尾身会長が会見
尾身会長が提示した3つのポイントは(1)歓楽街のレジャー(遊び)目的人口が増加したとき(2)感染者の前週比が2週間以上に渡り1.0を超えたとき(3)20~30代の新規陽性者が増加したとき――。尾身会長は「この3点を特に重視して、各都道府県と自治体は早い対策を打っていただきたい」と訴えた。 1つ目は、歓楽街の夜間の人口の増加。尾身会長は「レジャー目的ということ。しかも、歓楽街に行くと言うのが比較的感染状況を早く察知するデータとしてかなり役立つと言うことがいままでのデータの分析で分かっている」と指摘。「例外は当然あるが、これは大きな傾向として、いままで認められたということで、これからも参考にしたらよろしいのではないか」と語った。 2つ目は、1週間単位で見た時に前週と比べて感染者数が増加しているか否か。尾身氏は「(1人の感染者が何人に移すかを示す)実行再生産数と非常に近い考え方」と説明。クラスターの発生などにより1週間だけ拡大した場合は除外し、2週間以上続けて増加したときに注意が必要だという。「2週間以上続くと、これは怪しいぞと。もちろん、そうしても(対応策を打つことが)空振りということはある。早く打ちすぎて大したことはないということもあるが、そのリスクは多少見込む必要があると思う」と述べた。 3つ目が、20~30代の感染者が増加したとき。尾身会長は「感染(拡大)の立ち上がりには若い人が先に感染がぐっと拡大するというのがだいたいの傾向として見える」と説明。「いまは高校生も増えてきた。特に変異株の問題なんかで比較的若い人でも感染しやすいと分かって(きた)。感染が拡大するときに若い人から先にいく。数も多いし、割合も(多い)ということがいくつかの県をつぶさに調べると(見えてくる)」と語った。