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解説「偽情報規制」と書かれていますが、実際は、生成AIで作成したとの明記を義務付けるルールであり、偽情報そのものの規制ではないことに注意が必要です。EUでも今年、AI作成明示義務を盛り込んだ規制法が成立しています。生成AIで作成されたとの表示があれば、その動画や画像が本物と誤解する人を大幅に減らせることが期待でき、表現内容を理由とした規制にもなりません。 偽情報であるという理由だけで取り締まる規制は表現・言論の自由の根幹を揺るがすため、導入されるべきではありませんが、「AI作成明示義務」であればメリットこそあれ、弊害はほとんどないはずです。 にもかかわらず日本では岸田政権がAIビジネス重視に傾き過ぎ、議論が進んでいません。読売新聞は、規制論議に消極的な岸田政権の姿勢を、社説などで厳しく批判してきました。手間をかけて米国各州の法律を調べたこの記事も、そうした報道姿勢の表れと言えそうです。

コメンテータープロフィール

慶應義塾大学卒業後、産経新聞記者を経て、2008年、弁護士登録。2012年より誤報検証サイトGoHoo運営(2019年解散)。2017年からファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)発起人、事務局長兼理事を約6年務めた。2018年『ファクトチェックとは何か』出版(共著、尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。2022年、衆議院憲法審査会に参考人として出席。2023年、Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット賞受賞。現在、ニュースレター「楊井人文のニュースの読み方」配信中。ベリーベスト法律事務所弁護士、日本公共利益研究所主任研究員。

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