解説この記事やその反応が、人事が社内で行う面接官向け勉強会の、現場社員の反応そのもののようだった。大手企業の人事部では、厚労省のガイドライン、自社の方針をもとに面接官に対して「求職者に聞いてはいけないこと」を伝えている。現場の営業課長、主任などが面接官として起用されるのだが、彼ら彼女たちからは「あれも、これもだめなのか」という反応が返ってくる。人事の立場からすると当然NGなのだが。 この面接でのNG質問に対する違和感は、実は企業は求職者の何を評価しているのかという話につながる。NG質問は、「人柄」「人物像」に関するもの、あるいは「会話のきっかけ」になるものがほとんどだ。言うまでもなく、選考に本来関係ないものであり、一部は本人の努力とは関係ない。このこと自体が企業の家族主義、能力ではなく人物重視という姿勢を物語っていないか。 就職差別はあってはならない。学生に何を問うのかを問うことが大切だ。
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コメンテータープロフィール
1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。 リクルート、バンダイ、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。2020年4月より准教授。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』(日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)など。
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