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富坂聰

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拓殖大学海外事情研究所教授

報告

解説中国の対アフリカ外交の話題では「債務の罠」と切り捨てるのが日本メディアの定番。だがこの記事にはそれが見当たらず誠実だ。中国の対アフリカ協力は鉄道だけで2013年以降6千㎞。企業を含めると約1万㎞。さらに道路、発電所、通信設備、病院、人材育成もあり、評価は手に余る。参加国からも「債務の罠」との批判は聞こえてこない。習近平はフォーラム参加国の人口が「世界の3分の1」だと強調したが、この意味は小さくない。BRICS、「一帯一路」加盟国を重ねれば軽く半分を超える。その上で欧米の過去の歴史に言及し連帯を呼び掛けたのだ。日本や欧米先進国経済の低迷を尻目にアフリカを発展させ貿易パートナーにと目論む中国は、本気で脱欧米の可能性を探り始めのか。関税を大幅に下げるとした点から、少なくとも新たなルールで動く経済圏を「保険」として持ちたいとの思惑も見える。「どうせ債務の罠」と過小評価して良い話には思えないのだが。

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コメンテータープロフィール

富坂聰

拓殖大学海外事情研究所教授

1964年愛知県生まれ。北京大学中文系中退後、『週刊ポスト』記者、『週刊文春』記者を経て独立。ジャーナリストとして紙誌への寄稿、著作を発表。2014年より拓殖大学教授。

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