見解こう言っては何ですが、「あれ、意外と負債が少ない?」という印象です。まだ『新世紀エヴァンゲリオン』の版権収入があった頃とはいえ、年商35億円以上を計上していた会社が破産をする程の額ではないはず。それだけに旧経営陣は何をしてたんだ、と無念の思いがいっそう深まります。 その反面、負債がこの程度に収まっていたことと、ガイナックスの破産報告にあった「知的財産や作品資料を正当な権利者の許諾なく、上述の経営陣・運営幹部の会社や個人への売却、譲渡等」が不気味に呼応します。つまり目先の金と引き換えに、不当な安値で貴重な知的財産を売り払っていたのではないか?という危惧です。 一度散らばってしまったIPを再び信頼できる管理者のもとに戻すまでに、どれほどの時間とコストが掛かるのでしょう。
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コメンテータープロフィール
京都大学法学部大学院修士課程卒。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。現在はGadget GateやGet Navi Web、TechnoEdgeで記事を執筆中。