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竹内幹

竹内幹認証済み

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経済学者。一橋大学経済学研究科・准教授。

報告

見解インフレ・物価高で、実質賃金が下がったと聞くと、なにか貨幣的な現象がおきて困っているように思えます。でも要は、経済全体でモノが足りないからだし、買いつけてくるだけの余力がなく貧しくなっている。「みんなでがまんする」か、「誰かががまんする」か。  インフレによって、いったんは「みんな」が買い控えてがまんする・がまんさせられる。次に、賃上げにあやかれた人たちや、金融資産・不動産をもっている人たちが、購買力を取り戻す。逆に、取り残された人たち(=「誰か」)ががまんさせられる。いまは、その残酷な調整過程にあるわけでしょう。   物価高は、市場原理(=供給が相対的に少なくなれば、価格があがる)によるところもあります。要は、貧しくなった。必ずしも、みんながそろって、インフレ前の生活水準に戻れるわけではないことも覚悟しなくてはいけません。政策による所得再分配が必要なら、政治の出番ですね。

コメンテータープロフィール

竹内幹

経済学者。一橋大学経済学研究科・准教授。

1974年生まれ。一橋大学経済学部卒、ミシガン大学Ph.D.(経済学博士)。カリフォルニア工科大学研究員などを経て現職。専門は実験経済学と行動経済学。文部科学省学術調査官、法務省司法試験予備試験考査委員などもしました。1男1女の父。

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