補足これも「インフレを起こして経済を回す」と言われていたものでしょう。 ただし、経済全体で物価も5%、給料も5%ずつ上がれば何も変わらないはず。 ところがインフレには次のような効果があります。 まず、現金の価値が目減りするので、現金や預金が投資や消費にまわります。「ハイパーインフレだと、給料がでたらすぐに缶詰やタバコ(換金性の高いモノ)を買いに店に走るんだ」と激しいインフレとともに生きた南米の友人が話していました。消費を刺激します。 もう1つは、賃下げ・リストラがやりやすくなります。中高年の給料は据え置きにして、初任給を上げるというように。賃下げは難しいので、昇給しないという形で実質賃下げをするのです。 インフレ政策の恩恵を受けない氷河期世代は、複雑な気持ちでニュースをみるのではないでしょうか。
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コメンテータープロフィール
1974年生まれ。一橋大学経済学部卒、ミシガン大学Ph.D.(経済学博士)。カリフォルニア工科大学研究員などを経て現職。専門は実験経済学と行動経済学。文部科学省学術調査官、法務省司法試験予備試験考査委員などもしました。1男1女の父。