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髙岡豊

髙岡豊

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中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

報告

見解「政治的動機で」、「暴力を行使し(或いは暴力をふるうと威嚇して」、「世論に広く影響を与えることを意図する」ということで、テロリズムの一種とみなすことに問題ないでしょう。道路の封鎖や企業への押しかけで日常生活を脅かされたり、「文化遺産」を損壊されたりすると、当事者のみならず広く「恐怖」を感じるでしょう。その一方で、テロリズムの実践で訴えかける対象は「敵方」だけでなく「味方」も視野に入れないとなりません。敵に対してはどんな迷惑行為をしても「味方」は喝さいを送るでしょうが、迷惑行為の影響が「味方」の生活圏に及ぶと、「味方」の離反を招く可能性が高くなります。鯨食のない社会の人たちにとっては日本の漁業者・魚屋さん・料理店をいくらいじめても楽しいだけですが、自分が通るであろう道路がふさがれたり、身近な文化遺産が損壊されたりするのは迷惑な話で、「テロリスト」はますます浮いた存在になるのです。

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    大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

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コメンテータープロフィール

髙岡豊

中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。

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