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佐々木正明

佐々木正明

認証済み

大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

報告

解説エコテロリズムの起源を振り返るとき、実は日本の反捕鯨運動と深いかかわりあいを持つ。 2002年、FBIの捜査官が米議会で当時、米国内で猛威を振るっていたエコテロ事件を審議する際に、こう報告した。 反捕鯨団体のシー・シェパード(SS)が「商業的漁業を襲撃した時、この地球上に『エコテロリズム』が出現した」 SSは創設者のポール・ワトソン容疑者が過激な妨害行為を行っている団体だ。 彼らの動機は、人類はどんなことがあっても自然環境に手を加えてはならない、食料や毛皮製品などのために決して動物を殺してはならないとする「環境原理主義」を基盤とする。 エコテロは当時、米国内で爆弾テロ未遂事件さえ起こしていた。FBIは法整備で網をかけようとしたのだ。 時を超え、今、美術館が狙われている。人間の横暴で環境破壊が進むことに警鐘を鳴らそうと、大胆な手法を取る。 ワトソンが再び日本を狙っていることに注意が必要だ。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 吉田徹

    同志社大学政策学部教授

    見解環境保護のために実力行使に出るのは、80年代のグリーンピースなども同じだが、「エコテロ」はより一般市…続きを読む

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コメンテータープロフィール

佐々木正明

大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)

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