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高野龍昭

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東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

報告

見解同じ事件に関する別の記事では「容疑者である息子は5年前から母親の介護を始め、今月から一緒に住み始めた」と報じています。このことから、息子が懸命に母親の介護をしようとしていたと推測できます。 おそらく、この息子は献身的な介護をしていたものの、それを背負いきれず、母親を殺めるに至ったのでしょう。 むろん、親族を殺害するなどということは許されることではありません。一方で、近年の高齢者福祉•介護で課題となっている「家族介護者支援」の貧弱さが招いた事件と言えるのかも知れません。 厚生労働省の調査データでは、高齢者虐待が最も多い家族構成は「高齢者と未婚の子のみの世帯」となっています。このことは、家族を担うのが未婚の子の場合、孤立的な状態となりやすいゆえ、負担が過大になることが多く、それが虐待を起こす要因となることを意味しています。 この事件も、それと同じような要因で引き起こされたのではないでしょうか。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 太田差惠子

    介護・暮らしジャーナリスト

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  • 佐々木成三

    元刑事部捜査第一課・警部補/一般社団法人スクールポリス理事

    解説老老介護は肉体的・精神的に大きな負担となり、ストレスや将来の不安などから絶望感が深まることでこのよう…続きを読む

コメンテータープロフィール

高野龍昭

東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。

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