〈独自〉尾辻秀久・参院議長が辞任へ 関係者へ意向伝える「これ以上迷惑はかけられない」
自民党の尾辻秀久参院議長(84)=鹿児島選挙区=が体調不良のため議長を辞任する意向を固め、関係者に伝えたことが28日、分かった。任期は来年7月までだった。政府・与党が11月11日召集を軸に調整している衆院選後の特別国会で、辞任が認められる見通し。 【写真】〈関連〉2019年7月の参院選で当選確実となり、集まった支持者らと万歳をして喜ぶ尾辻秀久さん(左)=鹿児島市大黒町
尾辻氏は昨年、風呂場で転倒し腰部を圧迫骨折。最近になって痛みが強まり、歩くのが難しくなった。衆院解散に伴い衆院議長が不在となる中、職責の負担も増していた。周囲には「体力の限界。これ以上迷惑はかけられない」などと打ち明けていたという。 2022年に鹿児島から初の参院議長に就任。国会の議事運営をはじめ多くの皇室行事などに臨んだ。8月に東京で開かれる全国戦没者追悼式では、3歳で父親を戦争で亡くした遺族の一人として、「追悼の辞」を3年連続読み上げた。 鹿児島県南さつま市出身の尾辻氏は鹿児島県議を経て89年の参院選で初当選し6期目。厚生労働相や参院副議長、日本遺族会長など歴任し、ドミニカ移民問題の解決などに尽力した。議長就任に伴い自民会派を離脱した。 今年7月、来夏の参院選には立候補せず、今期限りで政界を引退する意向を明らかにした。議長職は任期満了まで続ける意欲を示していた。
南日本新聞 | 鹿児島
【関連記事】
- ▶ 尾辻秀久参院議長が勇退へ 「年齢や体力考慮」来夏の選挙立候補せず
- ▶ 私には戦没者遺族の皆さんが、母でありきょうだいだった…尾辻秀久参院議長、最後の追悼の辞 全国戦没者追悼式 3歳で父が戦死、思いの丈を率直に述べる
- ▶ 「思えばいつも怒っていた。離党届を何通書いたか」…「郷土愛の塊」を自任する83歳は、弱者に寄り添う「虫の目」が信条 勇退を決めた尾辻秀久参院議長が語る国政への思い
- ▶ 残された命、語り部として生きていく―32歳で父は戦死、尾辻参院議長が追悼の辞 「この平和、大きな犠牲の上に築かれている」
- ▶〈2025参院選〉尾辻秀久参院議長が勇退する鹿児島選挙区、自民県連は「勝てる候補」選びを本格化…「即戦力」か「地方政治の経験」か、はたまた「父の継承」か 予定者選考に6人が論文提出、9月中の決定目指す