補足政権の人事を自身のシンパで固めるのは諸刃の剣だ。政権運営を短期間で効率よく進めるには、非常に効率がいいだろう。他方、中長期的には、バイヤスや歪みがはいった情報が入る一方で、不都合なかつ/あるいは批判的な情報が入りにくくなり、トップが判断や決定を間違う可能性が高まる。特にトランプの場合、自己中心的で、自分が聞きたい意見や考えのみを受け入れがちなところがあるので、その可能性・危険性は更に高い。米国は、今回の大統領選や連邦議会上下院選挙で、トランプおよび共和党は3勝全勝であり絶対的な影響力を握ったが、民主主義社会だ。そこでは、最終的には米国民が納得し、満足できるかが最重要だ。つまり、社会状況およびその変化を冷静に知り分析し、判断・決定することが必要なのだ。その意味からすると、トランプの新政権の人事が功を奏するのか、あるいは国民からの反発を生むものになるのか、今後の成り行きがみものだ
コメンテータープロフィール
東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。日本財団等を経て東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。経済安全保障経営センター研究主幹等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』