見解南海電鉄は今後、なにわ筋線直通という大仕事が待っています。しかし、これによって極点とする街の難波は通過駅となります。難波駅の再開発と鉄道事業がリンクしにくくなりました。 大手私鉄はいままで、鉄道路線の延伸と不動産投資の相乗効果で成長してきました。しかし、鉄道事業で路線の延伸予定がなく、今後の課題は運輸収入向上と路線の維持、人員確保となります。一方で、不動産事業は沿線を離れ、国内外に成長の余地があります。不動産、生活関連事業と鉄道事業を切り離し、他の事業を気にせずに意思決定をしようという経営判断だと思われます。 事業分割は鉄道会社に限りません。過去にNECが売上市場世界1位だったこともある半導体事業を分社化しました。オムロンは一般に認知されているヘルスケア系事業を分社化しています。「成長事業」と「安定事業」の切り分けは企業行動として珍しくありません。鉄道会社もようやく、という感じです。
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コメンテータープロフィール
東京都生まれ。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社でパソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当したのち、1996年にフリーライターとなる。IT、PCゲーム、Eスポーツ、フリーウェア、ゲームアプリなどの分野を渡り歩き、現在は鉄道分野を主に執筆。鉄道趣味歴半世紀超。2021年4月、日本の旅客鉄道路線完乗を達成。基本的に、列車に乗ってぼーっとしているオッサンでございます。
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