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末冨芳

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日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

報告

見解東京都と大阪府が先行する所得制限のない高校無償化、確かに課題は自治体間の財政力格差かもしれませんが、眉唾の議論でもあります。 なぜなら地方は所得制限対象となる世帯が限られている事例もあり、県の独自の財源確保もできるはずなのにしていない場合もあるだろうからです。 一方で首都圏などでは、所得制限の対象世帯数が多く県独自の努力では財源確保が難しい県が多いことも確かです。 自民党が下村文科大臣時代に高校無償化に所得制限を導入したことが、自治体間格差を深刻化させる禍根となっています。 与党・公明党は衆院選時に高校無償化の所得制限撤廃を打ち出しています。 高校は準義務教育とも位置付けられる公共性の高い教育段階であり、すべての高校生の授業無償化が実現されることも子どもの権利の視点からは重要です。 一方で高校教育の質の改善は無償化では実現できず、財源確保や自民党内の反発なども課題となるでしょう。

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  • 柴田悠

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    社会学者/京都大学大学院人間・環境学研究科教授

    補足東京都は、たしかに大きな財政規模をもち他道府県から若い女性も流入しているので、少子化対策に有利な面が…続きを読む

コメンテータープロフィール

末冨芳

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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